もうすぐ春節ですね!
私は諸事情で今年は早目に休暇を取って帰国するので週末には日本です。
そんな中、突然この作品が見たくなったので今回はご紹介。
おととしのクリスマスにも少し紹介したのですが…
聖☆おにいさん
作者:中村光
現在モーニング・ツーで連載中。
世紀末を乗り越えたとある2人の聖人のバカンスのお話。
目覚めた人、ブッダ。
神の子、イエス。
言わずと知れたキリスト教、仏教を始めたこの2人がバカンスのために下界へ降り立ち、
日本の東京、立川にアパートを借りて過ごすことに。
初めての日本に戸惑いながらも、楽しくにぎやかに満喫します。
ブッダとイエス、っていう題材だけでも十分珍しいのに、これで日常ギャグものなのがすごい。
いろんな宗教が信仰されている日本ならではのギリギリセウト感。
話の内容としては、宗教や神話関連のもの、日本文化の主に2つに話題が振り分けられますが、
宗教・神話関連は逸話や書物を使って、上手くギャグに昇華できているなあと。
元ネタを知らなくてもなんだか笑えるし、知っているとオイオイと笑ってしまう。
個人的に面白いのは、ブッダが手塚治虫の「ブッダ」を読んで感動するところw
まあ見る人によっては「ナニコレ!」と怒られるかもしれませんが…。
彼らを取り巻く人々(と神々)もなかなか強烈。
イエス側は過保護な天使や、ノリの軽い弟子たち。
ブッダ側はキャラ付け(太らせたり云々)に必死な天部と、まじめすぎて怖い弟子たち。
あとは2人の商売(?)敵である悪魔たち。
もちろん、立川でお世話になっている大家さんや近所の人も個性的。
ここ数年は、作者の中村光が妊娠・ご出産とのことで連載スペースは落ちていましたが、こういったネタはまだありそうなのでもう少し連載自体は続くのではないかなあと思っています。
『荒川アンダーザブリッジ』からのファンなので、私としてはどちらもきっちり描き切ってほしいところですね。
また、最近西尾維新とのコラボ企画で別雑誌に読み切りを描かれたそうです。
3月くらいにとなりのヤングジャンプで無料公開されるのでそれを楽しみにしよう。
さて、聖☆おにいさん。
ご存知のお方もいらっしゃるでしょうが、数年前にアニメ映画化されています。
その前に2回、ODA化もされているのですが、しっかり助走をつけた上での映画化。
ブッダ役は、「大人計画」所属の歌手・星野源。
イエス役は、ダンサーとしても有名な俳優・森山未來。
最初聞いたときはかなり不安でしたが、ふたを開けてみれば意外とイケる。
むしろこの作品に限っては、声優さんでくるよりこの2人で良かったのではないかなと思いました。
何せ元ネタが元ネタだからイメージがつかない。
(昨今はアニメに声優以外が声をあてることで論争になる世の中ですが…)
で、肝心の中身ですが。
なんと宗教色ほとんどなし!!!!!
なるほど…この原作で映画化ができたわけがコレですよ。
中身は完全に「神様が日本を満喫するだけのほのぼのライフ映画」です。
もちろん、彼らの「ブッダ」「イエス」というキャラクターはきちんと保たれたままでしたが、まあこれは言ってもしょうがないですね!
まあ下手に宗教ネタとか入れると危ない気もしますからねー。
いやそれよりも私は宗教ネタがない代わりに、作中出てくる遊園地が「某ランド」を忠実に再現しすぎて肝が冷えました。
そっちでヒヤヒヤさせてくるとは思いもしなかったわwww
映像美はもちろんですが、日本のいいところぎゅっとつまっています。
風景とかは特にそうですね。
お祭り、銭湯、商店街。
立川をきちんと訪れたことはありませんが、ああいった何気ない町をみていると、日本懐かしいな~という気分になります。
日本にいるときは感じなかった些細なことが、離れた今だからこそ心に染みます。
日本いいよね、って純粋な感想が出るこの映画。
特に大きな起伏もなく、純粋に日常物としてストレスなく見れます。
ぜひ観ていただきたい一本です。
文章:ゆず
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