中国の材料でも魂は「福井」なのだ

「水ようかん」「水羊羹」といえば俳句では7月の季語。

お中元には「井○屋の水ようかん」でお馴染みの夏の食べ物である。
世間一般的には・・・。

ところが我が故郷の福井県では「こたつで水ようかん」が定番。
冬はミカンじゃなくて水ようかんなのだ。
福井県内の和菓子屋、洋菓子屋問わず、この時期は水ようかんの生産が最盛期。
なぜなら、原価が安くて利益がでかい。
洋菓子店を息子夫婦にやらせておいて、両親は水ようかんだけで年間利益の半分以上を
稼ぎ出すって店も少なくない。

一説によれば羊羹が高価だった時代、丁稚奉公の土産に持って帰った羊羹を家族全員で
味わえるように溶かして薄めて固めたのが福井の水ようかんの始まりだとか。
だから寒い冬の季節に水ようかんなのかなと思う。

上海に来て水ようかんを簡単に入手出来なくなったので、自分で作ってみた。
材料はこれだけ。
・寒天 8g
・こし餡 400g
・黒糖 50~80g(お好みで)
・塩 少々
・香りつけのインスタントコーヒー(無くても可)
おそらく材料原価は100円以下。多量に使う店だと30円以下かも知れない。
黒糖は高いので、ローカルスーパーで売ってる紅糖で代用。
こし餡もローカルスーパーで購入したが、「こしあん」って書いてあるので、日本へ輸出
されているのかもしれない。あるいは例の如く「日本風」にしているだけか。
塩は甘さを引き立てるために少しだけ入れる。コーヒーはお好みで。
福井でも入れる店と入れない店がある。

普通はコート済の紙箱に入れるが、入手できないので薄めのタッパーで代用する。

まずは寒天を煮る。ここで注意するのは、必ず沸騰してから2分間グツグツ煮ること。
これをしないと固まりが悪くなる。焦げ付き防止のため、常にかき混ぜるのが大事。
2分経ったら火を止める。これ以降は火を使わない。

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鍋にこし餡を入れて溶かす。溶け切ったら次に黒糖、塩、お好みでコーヒーを入れる。
ゆっくりかき混ぜながら温度が下がるのを待つ。

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暖かいままタッパーに移すと、寒天とこし餡が二層に分離してしまうので、必ず冷ます。
液にトロミが出てくるのを見計らうというが、私の経験では45℃以下まで冷やせば分離しない。
指を入れて、少し熱いと感じるぐらいが45℃ぐらい。

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口当たりを良くするために、細かいザルで濾しながらタッパーに移す。
ちなみに福井県で食べられている水ようかんの厚さは1センチ程度。
泡が出たら、本来はバーナーの火で潰すのだが、今回はタッパーを使っているので爪楊枝で。

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放置すると10分程度で固まり出すので、粗熱が取れたら冷蔵庫へ。
完全に冷えて固まったら、包丁で適当な大きさに切り分けて完成。

ツルンと口に入って溶けるので、何個でも食べられて困る。
イチゴと一緒なら尚更、甘さと酸味のハーモニー。堪らん。
全て中国で入手可能な材料なので、是非お試しあれ。

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自分で作って感じるのは、これ、福井の冬にピッタリのお菓子だなーーってこと。
だって寒天を煮る時間だけ火を使えば良いし、福井の冬は湿度が高いのでホコリも少なく、
紙箱に注いだら直ぐに固まるので冷蔵庫も不要。
投資や材料コストが安く、製菓テクニックも要らないとなれば、これはお菓子屋が手放さないわな。w

あと要注意なのは、この水ようかんは腐りやすい。
寒天に糖分って言ったら、研究所で使う培養液と同じだもん。
だから冬なら作って冷蔵庫で2日以内、夏なら当日消費するのをお勧めする。

文章:RYZ

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