語感っていうかさ、
単語の響きの良さって、あるじゃない。
その意味はどうでもよくて、耳障りの話。
たとえば、カプリコ。
まず、カプ、ってのが反則的にきもちいい。
カ。kの持つ凛とした、シャキッとした音。
プ。pが乾いた空気を纏って、ふんわりと心地よい音セカイに導いてくれる。
例えるなら、庭園。引き締まる。カプ。
そこに、張りつめた水面。
リ。rの瑞々しさ。iの覗き窓のような煌めき。
つまり水面に、艶っぽい雫がぽたり。
王冠を作って、波紋がひろがる。
そして、コ。oは、余韻の美しさを表現してる。
例えるなら、ししおどし。
カプリコ。
静寂、微かな匂い。
素晴らしい。
カプコン、だとダメ。カプコ、まではいい。
しかしこの静寂を、ンという獣で圧してしまうのはいかがなものか。
ブカナン、ならいい。
ブ。bは馬力。力を体現。
カプ、じゃなくてカブのほうがどう考えてもパワフル。
そしてナ。粘っこい、ハチミツのような。
“かねがなるなり”がいとゆかしいのは、ナのおかげに違いない。
やっぱ古歌はいい(って言っとけば数寄モノに思われそうで、言ってみただけ)。
そこに、ン。
ブカナ、で練り上げた重厚な城を、闊歩する獣、ン。
ブカナン。いいじゃないか。
ああ、タランティーノ。
もいいね。
tでゴムまりが跳ねる。
rで飛沫が跳ねる。
ンで獣が暴れ、ティで光が差す。
揺れる大地。
そのままノで、nの粘っこさと、oの余韻。
彼の作風にぴったりじゃないか。
そんな感じで今日はおわり。
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