上海生活も、1年を越えた。
小さい頃から何度か来てるから、ぎゅっとすると、多分、2年以上居る。
ぎゅっとする。
そういや、遊戯王カードに使ったお金をぎゅっとすると、何万円かしら。
小学生のときの話だから、もう、忘れたけど、
まだ、大したお金じゃないかもしれない。
でも、日本往復くらいは、出来たんじゃないかな。
少年ジャンプ。中学から高校まで、
少なくとも5年は買い続けていた。
一冊、240円。
毎日じゃなくても、年間200日は買ってたと思う。
じゃあ、合計24万円。
今度は、ヨーロッパにいけそう。
北欧に行きたい(嘘。まずは普通にスペインとかフランスに行きたい)。
んー、お金の話ばかりだと、なんだか。
例えば、何度も繰り返して観た、
笑ってはいけないハイスクールと、
あと、バカ殿様。
飛ばしてさくさく観ても、合わせて3時間。
10回は観た。ここで100回と言わないところがリアル。
合計30時間。
乗り換え乗り換えで、アフリカ大陸の奥まった所に行けそうだ。
ああ、旅費はどうしよう?
何をぎゅっとすればいい?
僕は、牡蠣が大嫌いで、考えただけで反吐。
なのに父親は、嫌いでも一個は食え、一個は食えって。
無理矢理、一個は食べていた。
両親は牡蠣が大好きだから。
毎年、10回は出た。鍋とフライで出た。
一個、いくらだろう。10年は続いた。
100個は食った。涙目で食った。
もう、食えって言われないけど。
ダメだ、旅費には届かない。
そうだ、あのつまんなかった小説はどうだろう。
たくさん人が死ねば死ぬほどカッコいいと思ってた
恥ずかしい日々の部屋の隅っこ、髑髏の縁で飾ってる、
あのつまんない小説。売り飛ばそう、いくらだろう。
じゃあ、アメ村でヒップホップな連中に半分騙されて買ったあのシャツも。
井の頭公園で吸った強すぎるピースも。
閃光花火も。
あれもこれも。
全部売り飛ばそう。
売れない奴は捨ててしまおう。
そうしたら、そのまま、どこでもいけそう。
とっても、身軽。
な、はずなのに。
だけどなんだか、足りないような。
「モモンガってさ!ぎゅっとしてると、飛べないよね!」
なるほど。ぎゅっとしちゃうと、どこにもいけないんだ。
ぎゅっとしないから、ふわっと浮かぶ。
ぎゅっと出来ないところに、大切なものが散りばめられている。
ひらひら。
スパンコールの思い出。
「でもモモンガって、飛んでるんじゃなくて、落ちてるんじゃない?」
「じゃあ人間も、生きてるんじゃなくて、死んでるんじゃない?」
もうすぐ冬。まだまだ旅行が美味しい季節です。
Pingback: D