【マドロミの単語帳】♯05:電信柱
こんな夢をみた。
…。
私の名はエニクス。メルキド王国の騎士だ。
竜王打倒の命を受け、深き魔女の森を旅していたはず、なのだが…。
「・・・どういうことだ?これが魔女の楽園、なのか…。」
自らの手元さえも見えなくなるような深い霧を越えた先にあったのは、
眼を疑うような巨大な魔法都市であった。
継ぎ目のない石畳(”アスフ・アルト”という物らしい)が敷き詰められた巨大都市。
そこで人々は鋼鉄の馬に乗り込み、
雷神の力を借り、夜を切り裂いて生きていた。
特に驚くべきは”デ・ンシンバ・シラー”と呼ばれる魔力塔。
街にはこの塔が一定間隔で並んでおり、街の隅々まで魔法力を運んでいる。
魔力の乏しい人間でも、常時その恩恵を受けられるように設計されたものだという。
私は食料の補給を条件に彼らの儀式に参加し、
(それは、大勢の住人から光のでる片手ほどの石版を
暫く向け続けられるという奇妙なものだった。)
そして、討伐の旅へと戻ることにした。
我に旅の神クロンの追い風を。
…。
…そんな夢を見た。
◆
※単語06:でんしん・ばしら【電信柱】
家庭や各施設に電気を送るために道路上に設置されているもの。
正確には電力を送るものは「電力柱」であり、
「電信柱」とはその中でも通信回線を有するもの(電話や光ケーブル)を指す。
「高度に発達した科学は魔法と変わらない」というのは、
とあるSFの大家の方の言葉だが、
つまりそれは「彼(彼女)がその理解を放棄した」ということに他ならない。
(そして現代人の多くもまた魔法信仰者である。)
…神への恐れは英知の終わり?
◆
(上記はすべてフィクションであり、
特定の人物、団体、単語等とは一切関係ありません。)
文章:U
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