【マドロミの単語帳】♯08:上海ゲーム部

【マドロミの単語帳】♯08:上海ゲーム部

その二人以外は誰もいない、静かな、静かな夜のこと。
ランプシェードから仄かに漏れる優しい灯が
ベッドの上の彼女を魅惑的に照らし出していた。

「えへへ、、着替え無いから借りちゃった。」
彼女はその豊満な肢体の上に私のYシャツを羽織り、
シャワーを浴びたばかりの私に微笑みかける。

「ら、乱暴にしちゃだめ…だからね。」
言葉を紡ぐ桜色の唇は微かに震えている。

そんな様子がたまらなく愛おしい。

「Sedit qui timuit ne non succederet.」
僕はそう言いながら彼女の傍にそっと腰かけ、
その眼鏡を天使の羽で包むように優しく取りながら口づけをする。
もちろん、右手でシャツのボタンをゆっくりと外していくのも忘れない。

「ちょっ、その引用間違…って…服、まだ早…いっ」
「Audentem Forsque Venusque iuvat.」
「それ、ここで使うなんて…ゃぁ…っ。」
彼女の嬌声が甘く部屋を満たしていく。

そして僕は…

………。

「…さん、Uさん、何書いてるんです?」

Dさんの声で我に返る。

「今回の原稿だよ。ほら、Kさんから
”なんかネタになるもの”って言われたからね。」

ディスプレイに映っている文字を読む覗き込むDさん(巨乳好き)。
そのデカい体躯と正義感の強さは我らがゲーム部を守る巨人ハルクのようだ。

「ネタって…、男性用って意味じゃないと思いますよ。」

巨乳好きの癖に至極まっとうな意見を述べるハルク(じゃなかった)Dさん。

「ほら、Kさんって脳の半分はアレじゃない?」
「確かに…なんかKさんってバファリンみたいですね。えーと…」
「彼の半分はエロでできてます!だね。」

たしかに元ネタもピンクの錠剤だからイメージぴったりだしな、と思う私。

「まあ、Kさんはともかく、君にも合うように巨乳要素も入れたわけだし。」
「変なイメージ植えるのやめてくださいよ!…って、ほら、誰か来ましたよ」

「ちわー!」

妖気、いや、陽気な挨拶と共に細身のダンディが入って来る。

「何書いて…んん?メガネ設定って趣味まるだしですぜー?」

部室に入ってくるやいなや、遠慮なく覗いて感想をいうダンディ。
彼がゲーム部の”ミスターマンハッタン”こと紙さんである。
偏見に囚われない天衣無縫なゲームスタイルを得意とする彼は
基本何時でもマンハッタンスタイル(=全裸)で過ごしたいと熱望する剛の者だ。
(ちなみに今日は珍しくちゃんと服を着ている。安心。)

「だからUさん司書好きって言われるんですぜ。」
「いや、言ってるの君だけだし。」
「そうでしたっけ?」
「しかも”ベストフレンド(ボドゲ)”で解答書いたのも君だし。」
「でも、正解でしたぜ…?」
「…む。まあ、そう、なんだけど…。」

途端に歯切れの悪くなる私。
人の好みを赤裸々に暴いていく読心力は正にリアルマンハッタンである。
ダメだ、ここは仕切りなおさねば。

「皆私のことを誤解してるよ!私は…」

「匂いフェチ」とDさん。
「メガネ司書マニアだぜ!」と紙さん。
「姫騎士ラバーじゃ!」とWさん。

…ん?

「…って、Wさん、いつの間に!?」
「ククク…今か今かと待ちわびていたぞ!」
「出番待ってたんだ…」

いつの間にか部室にはTRPGの貴公子、Wさんが来ていた。
そのGM手腕はアメコミに例えるならならプロフェッサーKクラスの緻密さ。
そのレベルになれば、部室に来ることさえも劇的に飾ってしまうのが道理、なのだろう。

「そういえば前、オトナの女性の匂いがいいって言ってましたよ。」
「ククク…いや、むしろUさんといえば触手…。」
「ヤンデレ、ですぜ!」

ETC,ETC…

そんな3人の喧噪が奏でるBGMにいつしか扉の開く音が重なる。

「こんばんはー!」

そして。

そしてゲーム部の夜は更けていく。

…そんな夢を見た。

※単語09:しゃんはい・げーむぶ【上海ゲーム部】
魔窟。
その深淵は覗いた者しか知ることができない。
気になるなら門を叩くべし。
(紳士淑女の社交場ですよー!)

(上記はすべてフィクションであり、
 特定の人物、団体、単語等とは一切関係ありません。)

文章:U

【関連してそうな記事】



宜しければ上海ゲーム部を応援していただけますよう、よろしくお願い致します。
(下のタグを1クリックして下さい。)


にほんブログ村 海外生活ブログ 上海情報へ

Tags: , , , , ,

Leave a Reply(コメント)

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*
*