【マドロミの単語帳】♯09:ユダ
こんな夢をみた。
それは映画の予告編のような、
継ぎ接ぎのシーンでできた”何か”であった。
…。
弟子の一人で、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダが言った、
「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか」
<ヨハネによる福音書>
イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、
「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。
そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。
そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。
<マタイによる福音書>
「はっきり言っておく。あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている」。
弟子たちは、だれについて言っておられるのか察しかねて、顔を見合わせた。
…(略)イエスは、
「わたしがパン切れを浸して与えるのがその人だ」と答えられた。
それから、パン切れを浸して取り、
イスカリオテのシモンの子ユダにお与えになった。
…(略)そこでイエスは、
「しようとしていることを、今すぐ、しなさい」と彼に言った。
<ヨハネによる福音書>
ユダは、
「わたしが接吻するのが、その人だ。
捕まえて、逃がさないように連れて行け」
と、前もって合図を決めていた。
ユダはやって来るとすぐに、イエスに近寄り、
「先生」と言って接吻した。人々は、イエスに手をかけて捕らえた。
<マルコによる福音書>
ユダは銀貨を神殿に投げ込んで立ち去り、首をつって死んだ。
<マタイによる福音書>
…。
…そんな夢を見た。
◆
※単語10:ユダ【יהודה איש קריות】
聖書内の最強悪役の一人。
よく厨二病患者は「イスカリオテのユダ」と長めにいうが、
これは本来「カリオテ(村)の人」くらいの意味で別にカッコよくはない。
(日本語のイメージなら、鍋島村の田中さん、くらいの感じだろうか。)
ちなみに第13使徒でもない。
世界で最もよく知られている裏切り者の一人であるが、
彼が本当は「何を考えていたのか」は
現在においても多くの神学者、哲学者を惑わせている。
彼がいなければ、イエスキリストは
十字架にかけられなかったという人もいる。
そうなれば、救済も罪の贖いも、
少なくても今の形ではなかっただろうし、
”本”を盛り上げるのにも苦労したことだろう。
◆
(上記はすべてフィクションであり、
特定の人物、団体、単語等とは一切関係ありません。)
文章:U
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