無茶ブリ3行リレー劇場ゲームルール:
①無茶ブられた人は、最低3行以上(出来る限り沢山書いて下さい)の小説を無茶ブリした人の話に引き続き書く。
(更新日は日曜日)
②無茶ブられた人は、その週の話に関連する写真を1枚小説と共に掲載する。
③無茶ブリの対象は、1回でも上海ゲーム部HPに投稿した事のある人を選ぶ。
④無茶ブリの対象は連続で同じ人物を指名してはならない。最低中2週開ける事。
⑤作風は人それぞれ自由。
⑥1作品、10話目で絶対に完結させなければならない。
第2話 【サイコロ】
ドアを振り返ると、黒いブラウスに黒いスカートを穿いた女性が立っていた。
服装からして、店員であろう。
「あ...、す、すみません…」
「今日は営業日でしょうか?」
「扉が開いていたので…」
女性はスっと、カウンターの中に入り
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
と、何事もなかったように注文を聞いてきた。
自分より年下にも、年上にも見えるその女性は、決して愛想がいいわけではないが、
不快な感じは全くなく、不思議と引き込まれるような雰囲気の持ち主だった。
「メニューください。」
元の席に腰を落とし、カウンターに目をやって、やっと手のひらのサイコロの存在を思い出した。
あんなに惹きつけられ、ドキドキしていたというのに。。
さっきまではサイコロは強烈な魅力を発していたが、今はてのひらに馴染み、転がしていると自然と安心感を与えてくれる。
気の滅入りも、不満も、不安も、疲れさえも吸収してくれたかのようだ。
「当店はメニューはございません。」
困った・・・。
ここはショットバー。
自分はカクテルやウイスキーなんて、殆ど知らない。
ましてや、バイトもサボりがちで、懐具合もさみしいもんだ。
店の雰囲気から高級店とは思えないが、決して安い感じもしない。。。
ここで値段を聞くのも野暮だし、どんなに高くても1杯分なら手持ちで問題ないだろう。
サイコロの存在が、若干気持ちを大きくさせていた。
「ではお任せで、色の綺麗なあっさり目をショートで頂けますか?」
普段の自分だったら、口にしないような言葉がスラリと出てきた。
ここの店員は彼女一人なのだろうか。彼女がバーテンダーか。
サッと身を翻し、お酒を選ぶと、小気味良くシェイカーを振り出した。
スっと差し出されたカクテルは、綺麗なブルー。
赤いサイコロとは対照的だ。
何気なくサイコロをカウンターに振ってから、カクテルグラスに手を伸ばした。
「美味しいですね」
そう呟いてバーテンダーを見ると、ジッとサイコロを見つめている。
サイコロの出目は【3】だった。
「このサイコロ…」
そうバーテンダーが言うのと同時に、また店のドアがギーと開く音がした。
次のターン:【ogi】さんを指名します。
メッセージ:話の展開、よろしくです♪
文章:たま
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