【マドロミの単語帳】♯11:勇者
…こんな夢をみた。
ここはBAR”ウサギの穴”。
Dマイナーの静かな調べが流れる中で二人の男が飲んでいた。
小柄の方がラガヴーリンをぐっ、と煽ってから静かに語る。
「勇者がなぜ尊敬されるかというと…」
「ん?」
「皆が倒して欲しいと思う魔王を倒せる存在であるから、なわけじゃない?」
「ああ。」
「だから、他の人ができなくて、それを行うことで、他の人が喜ぶようなことをする。
そういう人はさ、誰が何と言おうと、たとえ誰も見てなくても、そいつは勇者、なんじゃないかな。」
「…ああ。」
そして二人は杯を酌み交わす。
静かな調べは静かに転調する。
…そんな夢を見た。
◆
※単語12:ゆうしゃ【勇者】
血の呪縛。
体のいい道具。
スケープゴート。
博打のチップ。
愚か者の別称にして蔑称。
されど、我々は知っている。
やはり彼らはかっこいいものなのだ、と。
熱き愛と共に茨を歩め。
◆
(上記はすべてフィクションであり、
特定の人物、団体、単語等とは一切関係ありません。)
文章:U
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