どうも。
「フリーペーパー休刊! 一体、いま上海に何が起きていると言うのか!」
的な煽り方をしてしまいましたが
ぶっちゃけ原因は一つです。
「上海から日本人が加速度的に減っている」
ということ。
一時期は7万人とも10万人とも言われ
「世界最大の日本人居住都市」なんていわれていました。
10万人いればそりゃ新聞のまがい物的な雑誌の一つや二つ、余裕で生きていけます。
今でこそ5万人弱、4万人台といわれていますが・・・・・・
で、ここからが問題
日本人と言う支持母体が多くいる上海で、いったいフリーペーパー業界に何が起きているのか
関係各所に総力取材を行った我々は、ある衝撃の事態を目の当たりにした。
※大分ゴシップです。「ホンマでっか!?」の広い心で見てください。
リーマンショックを乗り越えた中国と大打撃を受けた日本
上海万博の開催と尖閣問題で日中間が揺れに揺れた2010年
一人の青年がチャイニーズ・ドリームを目指し上海に降り立ちました。
彼の名前はT(仮名)。彼は中国語も出来ず、コミュニケーションも苦手
苦手と言うより、後先考えず自分の感性だけで突っ走り、
よく言えばおっちょこちょい、悪く言えば調整能力や交渉能力が欠如しており
タチの悪いことにそれを自覚せず、「自分は明るくなんでも積極的に取り組める男だ」
と勘違いしていたのでした。
中国語も出来ない、技術スキルもない、コネもない
そんな彼でも出来る仕事。それが
「日本人向けフリーペーパーの営業」だったのです。
求人には「基本はルート営業、新規開拓でインセンティブあり。物価の安い中国でひと稼ぎ!」
なんて甘い文句にまんまとつられやってきたT氏。
日本円に直せば給与10万円程度で東京並みの不動産価格、貯められるわけがない
というのは一呼吸置けばすぐ分かりそうなものですが、彼は突っ走ってしまったのです。
意気揚々と仕事を始めたT氏。
しかしリーマンショック直後、さらに日中関係も悪化し、
撤退準備を始めた日系企業も多かったあの頃
新規開拓はおろか、それまでの継続更新契約すら取れなくなってしまっていたのです。
契約が取れず日に日に募るプレッシャー
インセンティブを当てにして生活設計していたので、手持ちも心もとない。
でも、飲食店の営業に行くなら、せめてそのお店のご飯は食べに行かないと・・・・・・
まったく契約が取れず、慌てふためく姿を同僚や上司は心配しながら見つめていましたが
ある時、彼は新規開店する日系居酒屋の1ページ広告を見事契約して帰ってきたのです。
広告費にして一ヶ月2万5千元、半年掲載の大型契約でした。
やったじゃん!お前は出来る子だと思ってたよ。
皆から褒められ、気を良くしたT氏。その後はこれまでが嘘のように新規契約を勝ち取り
一躍敏腕営業へとのし上がったのでありました。
事態が急転するのはそれから3ヵ月後。
収支が合わないと経理担当から報告を受けた営業責任者。
確認すると約3万元の広告代未回収があると判明しました。
そう、T氏の新規契約の1ページ広告の代金が丸々未回収だったのです。
しかも当月分だけでなく、先月、先々月と3ヶ月連続で。
事実関係を問い詰めた責任者。
最初はT氏も「何かの間違いでしょ」と強気な態度でしたが
「今月までに回収できなければ給与から天引きし続ける」と通告を受けた途端
すべてを洗いざらい白状したのでした。
流れとしては
①新規開店の店舗に営業
②その際「最初の一ヶ月目は1ページ広告サービスしますよ。
その代わり売上良かったら、あとで広告費振り込んでくださいね」と口約束
③契約書を書いてもらう。社内に報告。
④広告が載る。もちろん店側は初回無料と認識。
T氏側は「売上が良ければその後振り込んでもらえる」と認識。
⑤当月の売上が出る。「どのくらい広告効果あったか分からないなあ」。当然払わない。
⑥T氏、契約を取れた店舗に行ってもインセンティブ貰えないので足を運ばない。
金は払ってくれているものだと思い込んでいる
⑦店側、特に支払い催促もなく、その後の打ち合わせもないので
日々の繁忙により、広告を出していること自体を忘れる。
⑧不払いが発覚。現在に至る。
と言う恐ろしい未回収事件を起こしてしまったのです。
その他の広告でもT氏は未回収を起こしており、
未回収金額は半年間で約20万元に上ったとも言われています。
結局、契約書自体には落ち度がなかったこともあり
店側へ改めて請求を行い、すったもんだの挙句、一部のみ回収出来たそうですが
当然、悪評は上海市内の飲食業界全体に広がり、
直接的な未回収ダメージとともに、信頼関係の失墜も引き起こしてしまったのです。
さらに、T氏は唯一経費として利用可能な「取材費」を水増し請求(新規店舗営業時の飲み代に充てていた)
していたことなどが判明。
T氏の勤めていたフリーペーパーの会社は彼ひとりにより・・・・・・いや、これ以上は辞めておきましょう。
業界内でウソかホントか、まことしやかに語り継がれる
「不払い未回収怖いよ~」という逸話でした。
ウソであってほしい、と私は心のそこから願ってなりません。
文・SUNRED
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