「おお、可愛い娘だね。艦これの不知火だな。」
「例えば、だ。今、この娘の造形は非常に多くの人の心を掴んだとする」
「い、痛い、わかったわかった、例えばではなく、事実として多くの人の心を掴んでいる、だね」
「そうすると、関連商品、例えばフィギュア、さらに今人気のアーケード版なんかカードなんかはたくさん出るだろうね。」
「人気すぎて、供給が追いつかなくなった、そうすると増産する。」
「そう増産だ、さらにそれを求める人が増え、大人気になって流行になって、そうするとさらに持っていない人もそれを持ちたくなる」
「さらなる増産だ、増えていく、不知火があふれていく。」
「不知火は人間たちを使って、その可愛さで気に入られ、人間の力を借りて、繁殖に成功し、増殖を経て、繁栄に至った、ということだ」
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と、いうネタは、元はどこの描写だったか
森博嗣さんの「すべてはFになる」だった気がします。
ともあれ、資本主義のこの社会において、金儲けの仕組みに乗っかり、商品は「増殖」します。
商品なら、まだ平静が持てる、それが生物ならば、パニックです。
町にあふれ出るほどの犬猫は、コントロールされているうちにこそかわいらしく、人間の人口を超えたらそれはもうパニックです。
猫島も、うさぎ島も、島という境界が存在するから微笑ましく映ります。
では
VRはどうだろうか
ご存知VRのお披露目よりサマーレッスン。こんな美少女です。(日本家屋なのはちゃんと理由があるみたいですよ)
実在しないけど、目の前で圧倒的なリアリティを伴ってあなたの前に出てきます。
多くの人は、この理想郷に興味を持つでしょうか。
この造形は、明らかにリアル寄りではありますが、実在しません、それこそ全体の”作り”からわかります。
でも、もし彼女が、ソフトが提供する、開発メーカーが提供するサービスやキャラが多くの人に気に入られたら
ソフトの出荷本数が増えます。
さらに資金が回り、より精度の良い、サービスの良い物が開発され
彼女は、進化して、増産体制に入ります。
男たちは、増殖し、進化した彼女たちに金を使うでしょう。時間を使うでしょう。
ではこの彼女のメーカーが勝者でしょうか?
メーカーは、金と時間を使って、さらにVR彼女を増やします。
本当の勝者は、誰でしょうか。
彼女たちが、あふれていく。寂しさを覚えている、リアルな彼女にあり付けない男の数のみならず
おそらくは、パートナーがいる男にでも。
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「ヴァーチャルリアル」とはいいますが、バーチャルがリアリティを持つ時点で、もはや筆者にとってはあやふやです。
本物人間の相手をしているようなコミュニケーションが成立しないから難しいのでは?と、思う人もいるでしょう
さて、
あれだけ、コミュニケーションが成立しない人間がいることを、君と僕は、もう知っているはずだ。
全てにおいて、受け入れてくれる「彼」or「彼女」と、どっちがマシでしょうかね。
さあ
「それっぽい」夏が、もうすぐ来ます。
そして技術者たちは、もっと「それっぽく」するのに、もちろん必死に準備してます。
ではまた、良き虚実な世界を。
紙樹
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