マイナー雑誌掲載作品・旬じゃないけど面白い作品・ちょっと昔の作品を紹介します。
完全に個人の趣味による選抜作品です。
Gemeinschaft (全5巻) 佐伯弥四郎 一迅社 ZERO-SUMコミックス
所属する教会の指示の下、各地にはびこる魔物退治に勤しむブラッドレー・ヒューズ神父。いつものように任に赴いた先の街で、彼は幼少時に親しかった友人たちと遊んだ楽しくも懐かしい思い出を噛み締めて溜息を吐く。ブラッドレーは彼らにまた出会えるかもしれないと言う淡い期待と、もう出会うこともないだろうと言う寂しさと郷愁を抱えながら命令をこなす日々を送っていた。
そして如何なる偶然か、その街でヒューズはかつて遊んだ友人たちと何年ぶりかの再会を果たす。久々に顔を合わせた幼馴染み、ラース・クーゲルはカツアゲをしている最中だった。
神父として、この街の「オバケ屋敷」(と呼ばれるほどのボロ家)に引っ越して来たラースと教会の指示でコンビを組み、ブラッドレーは様々な魔物退治の依頼をこなす。
(ウィキ先生より)
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ファンタジー路線とギャグ路線が見事な融合をした私一押しの作品です。
協会に所属する人間が使う、治癒などに用いられる「法術」と爆発や魅了に用いられる「魔術」が存在するこの世界では、神父は教会の司令の下、悪人や魔族の退治をすることになっています。
荒唐無稽・唯我独尊な性格の神父・ラースと、苦労人な幼馴染・ヒューズ。
この二人を中心に、いろいろな話が展開されるのですが、とにかくギャグが秀逸。
やたら元気なじーさん、園芸に全力を尽くすへたれヴァンパイヤ、武闘派モリモリシスター、可愛そうな盗賊の親分・・・と出てくるキャラクターは個性的すぎ。
残念ながら途中で打ち切りになってしまいましたが、ぜひ手元に置いて欲しい一作です。
黒鷺死体宅配便 (~18巻) 原作・大塚英志 作画・山崎峰水
角川書店 カドカワコミックス・エース
死体となったアナタをどこにでも「宅配」します。
死体の声を聞くことができるイタコの唐津九郎をはじめとした、チャネリング・ダウジング・エンバーミング・ハッキングを得意とするメンバーが、望まない死を迎えてしまった死体の願いを叶えるため、あらゆる手段を使って宅配するホラーサスペンス。
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原作者は「多重人格探偵サイコ」で有名な大塚英志で、この作品はサイコから後の世界観だと思わせられる描写があります。
社会風刺から都市伝説、「遠野物語」などの民俗学の色が強い話が多く、内臓やらなんやらいろいろ飛び出すので、グロテスクな描写が苦手な方にはおススメできない作品です。
登場人物たちの抱える過去、そして主人公・唐津に憑いている謎の幽霊?・やいち。
さまざまな謎が絡んで、読み応えのある作品ですが、最近はその物語の本筋から少し離れてしまい、持ち味が少し失われているような気がします。
スピンオフ作品の「松岡國男妖怪退治」はもっと妖怪や都市伝説色が強くてこれはこれで面白いのですが、いずれにしても中途半端に終わらないことを祈ります。
はじめての甲子園 (全7巻) 火村正紀 スクウェア・エニックス ガンガンコミックス
生徒数1名の土井中野高校に通う二屋球人は、野球部のキャプテン。当然、野球部員も二屋ひとり。どうしても野球がやりたい二屋は、校長が甲子園に行こうと宣言!
そして集まったのは、野球知識ゼロのかなしいアニメオタクの顧問、剛速球を投げるイケメン?ピッチャー、野球経験ゼロのいかついグラサンヤンキー・・・。
果たしてこんなメンバーで土井中野高校は甲子園にいけるのか!?
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コーチがシベリアンハスキー犬だったり、マネージャーはフィギュアの女の子、そして何より9人揃わない野球部・・・というわけで純粋な野球漫画ではないのですが、ちゃんと野球をするシーンもある部活ギャグ漫画です。
人間より犬のほうが多い教師陣に見守られながら、それなりにちゃんと甲子園を目指しているのですが、いかんせんメンバー不足や顧問教師の空気の読めなさやアクシデントでハチャメチャ。
ライバルは主人公のいとこ(毒舌ドS)だったり、女が大好きなのに孔雀のオスに求愛される天才バッターと、主人公たちに負けない輩ばかり!
これも途中で終わってしまって残念な結果になった漫画なのですが、電子書籍化やドラマCD化されているところから結構ファンがいたようで、短い連載期間とは言え、ガンガンでも珍しい作品となりました。
文章:ゆず
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