こんにちは。おもちゃ大好きittiです。
任天堂からnintendo switchが発売され、各所で話題になっている昨今ですが、
今日ご紹介するのは、それとは関係ないアナログな「スイッチ」です。
そこにスイッチがあれば、押してみたくなるのが人情というものですよね。
「このボタンを押せば、5万ドルが手に入ります。
その代わり、世界のどこかであなたの知らない誰かが……
このボタン、押しますか?押しませんか?」
というのは、リチャード・マシスンの短編小説ですが、
そんな恐ろしげな選択肢がなくても、ただあるだけで押してしまいたくなるのが
ボタンの不思議なところです。
以前、自爆スイッチのおもちゃが発売されたことがありました。
プチプチ(エアパッキン)のような潰した時の爽快感があるわけでもない、
ただ純粋なボタン(スイッチ)ですが、それでも買って押してみたくなる魅力がそこにはありますよね?
そんななか、先日私が購入したスイッチが最高なんです。
名前は、「Useless Box」。
文字通り、全く使えない、役には立たない、しかしある仕掛けが施された箱です。
誘惑に駆られてスイッチを入れると……
そう、これは、「スイッチを消すスイッチ」なのです。
なんという自己否定感!
「スイッチ、オン!」
『働きたくないでござる』
パチンッ!
「く……!この僕に逆らうというのか!スイッチ!オン!!」
『働きたくないでござる』
パチンッ!…………
こんな会話が聞こえてくるようです。
静止画でスイッチを戻す瞬間を見るとこんな感じ。
透明アクリルのアームが、うまいこと蓋を押しのけながらスイッチを押し戻します。
なんて絶妙な形状!
この装置のデザイナーは、きっと何十時間もかけてこの装置の最適な形状を導き出し、
そして様々なネゴシエーションを経て、これを商品としてこの世に送り出したのです。
「あなた……。もうそんなことに時間を使うのはやめて!」
「うるさい!俺はこの装置で一山当ててみせる!
こんな画期的な装置は他にない!
アメリカンドリームを掴むんだ!」
バシン!(頬を叩く音)
「あぁ……!」
「ご……ゴメンよステファニー。
でも、この装置さえ売れれば、きっとお前を幸せにしてやれるから!」
「あなた……!」
近くふたりの唇。画面、上方にパンしてフェードアウト
というようなやり取りがあったに違いないのです。
……さて、この装置、電池を使用しています。
スイッチを入れて→消して→プラスマイナス0どころか、
電力という貴重な資源をただただ浪費しているのです!
電力を浪費し、時間を浪費し、
スイッチを入れては戻されるのを楽しむ贅沢な時間……
慌ただしい毎日のふとした瞬間に、
この装置の存在意義に諸行無常を感じつつ、
哲学的な思索に耽ってみるのも一興ではないでしょうか?
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