みなさんこんにちは。ittiです。
もうすぐ上海ゲーム部ブログは100万アクセス!
上海ゲーム部に花束を……
ということで、本日ご紹介するのはこんなオモチャ。
Medicom Toyから発売されている、「FLOWER BOMBER」です。
バンクシー(BANKSY)のグラフィティにインスパイアされたスタチューです。
インスパイアというか、まんま立体化ですね。
以前、これの白いバージョンが発売されており、
私が買ったのはそれをより壁画のイメージに近づけた「WALL IMAGE Ver.」だそうです。
第一弾はこちら
置物としては、第一弾の方が落ち着きがありますね。
「これはフィギュアじゃなくて、オブジェなんだ!」という主張のもとに
リビングに飾ろうと画策して購入しましたが……
大きすぎて断念しました。
全長36cm。
最初の画像の左下に置いた林檎のオブジェが、本物の林檎(ふじ)と同じくらいの大きさです。
もう箱からして大きいです。
3歳児ぐらいなら隠れられるのではないでしょうか?
バンクシーは、今世界で最も話題を集めるグラフィティアーティストです。
白黒写真のような画風に、カラーをポイントで使った風刺画のスタイルが有名です。
グラフィティとは何かというと、要は落書きのこと。
スプレーやマーカーで壁面などに描かれ、
多くの場合がカンバスとなる壁の所有者には無許可で行われます。
スプレーやマーカーで壁面などに描かれ、
多くの場合がカンバスとなる壁の所有者には無許可で行われます。

……これは器物損壊、つまりはテロルのような犯罪行為であって、
アートと呼んではいけないのではなかろうか?
そんな疑問を誰もが抱きつつ、
みんなが認めたものはアート、認められないものは落書きと、
非常に恣意的な線引きがなされている現状です。
現に、バンクシーの作品も無断で、突発的に描かれるため、
壁の所有者が価値に気付かず、塗りつぶしてしまうこともままあります。
(何億円にもなるのに……)
グラフィティの先駆者、キース・ヘイリング(Keith Haring)が
地下鉄の広告の空きスペースに、わざわざ黒い紙を貼り付けてから作品を書いたのに対して、
バンクシーは壁に直書きです。
↑Tシャツの柄などでよく使われるキース・ヘリング
これはもう、明らかな違法・迷惑行為なわけです。
例えばバンクシーの絵が、壁ではなくキャンバスに描かれていたら、
ここまでの話題性とメッセージ性を持ち得なかったのは確かだと思うのですが……
絵柄は大変好みなだけに、なんとも複雑な気分になるのです。
バンクシーが取り上げる題材は、その多くが自由や平和を訴えるものです。
それが違法行為の上に成り立っていることに、
残念さを覚えると同時に覚悟のようなものも感じ、その熱量に憧れもするのです。
ヨルダン側西岸地区の分離壁に書かれたいくつかの作品は、
まさにここに書かれることでその真価を発揮するものです。
しかし、「伝えたいメッセージがある」
「そのために効果的な方法であれば、器物の損壊行為を厭わない」という姿勢は
ロジックとしてはテロルと同じものではないでしょうか?
人間の身体を傷つけないというルールがあるとしても、
もし、アフガニスタンの貴重な仏像を破壊した彼らが、
宗教の問題ではなく、実はこれはアート活動なんだよと言ってきたら。
それを認めたくないこの気持ちを言語化するとき、
バンクシーも同じく否定しなければならないのでしょうか?
バンクシーの作品に触れるとき、
表現者としての覚悟と、守るべき倫理と、
そして「質の高い作品は軽微な違法行為など超越して評価される」という現実に、
いつまでも折り合いのつかない感情を持て余すのです。
バンクシーは、出身地の小学校の校舎に自分の名前がつけられたとき、
そこに以下の作品と手紙を残したそうです。
その手紙には、小学生たちに向けて、
「この絵が気に入らなければ、上から書き足してください。
先生たちもきっと気にしないはずです。」
と言った内容の後に、いかにもバンクシーらしくこう続けられています。
「許してもらうのは、
許可を取るより簡単だということを、
覚えておいてください。」
【おわり】
最近のコメント