【手塚治虫】憂鬱になるけど面白い!

今もなお漫画の神様と呼ばれて大勢のファンがいる手塚治虫。
過去数回、全集が発売されるほどその人気は衰えません。
残念ながらリアルタイム世代ではないのですが、私も例外なく手塚治虫の作品が大好きです。
長編短編どれを見ても面白いのですが、個人的に読了後憂鬱になった作品を紹介したいと思います。
手塚作品は面白いのですが、ほとんどの作品が後味の悪さに憂鬱になります。
その中でも、私が思うTOP3をご紹介します。
 
 
 

 


I.L


実験映画の全盛期に反発する伊万里大作は、やけくそで実験映画のパロディーを作って廃業に追い込まれる。 面白くない気分で街をぶらついているうちに、怪しい家屋に引き寄せられ、その中でアルカード伯爵と名乗る怪人物(実はDraculaのアナグラムで吸血鬼)から、現実社会がもっと神秘的なものとなるように、この世の陰の演出家を勤めてほしい、と強引に言い渡される。 そして姪だという不思議な乙女、I.Lが委ねられる。 I.Lは棺桶にこもって、誰にでも変身することのできる女だった……。
(Wikipedilaより)
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もともとはI’ll、というタイトルにする予定だったり、風俗漫画になる予定だったりと色々紆余曲折を経てこのような形になった作品で、あまり評価は高くありません。
I.Lを引き取った伊万里は、アイエルを使って、身代わり引受業のようなものを始めます。
依頼があると、アイエルがその内容に応じて、さまざまな人物に変身し、映画製作をしていた経験を生かした大作が陰からその演出をする、という話筋です。
1話完結なので話自体はすごく読みやすいと思います。
ただ、当時の社会批判や手塚治虫得意の人間の愚かさが嫌な方面に押し出された、大人向けな御伽噺といったところでしょうか。
ロボットのようなI.Lが恋愛感情を覚えていく、といった過程からのラストは読んだ後、かなり憂鬱になりました。
 
  
火の鳥

もはやトラウマしかない

もはやトラウマしかない



手塚治虫が漫画家として活動を始めた初期の頃から晩年まで手がけられており、手塚治虫がライフワークと位置付けた漫画作品。古代からはるか未来まで、日本を主とした地球や宇宙を舞台に、生命の本質・人間の業が、手塚治虫自身の独特な思想を根底に壮大なスケールで描かれる。物語は「火の鳥」と呼ばれる鳥が登場し火の鳥の血を飲めば永遠の命を得られるという設定の元、主人公たちはその火の鳥と関わりながら悩み、苦しみ、闘い、残酷な運命に翻弄され続ける。
(Wikipediaより)
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いわずと知れた名作ですが、これを読んでトラウマを発生させたり読後の憂鬱さに襲われた人は多いのではないでしょうか?
私は中学生という多感な時期にこの作品を読んで以来、もうかれこれ10年ほどこの作品を読み返していません。
それくらい、この作品が生命や運命といった「命」に向き合ったものだったからです。
フィクションとは解っていても、自分の手から生みだした登場人物たちにここまで過酷な人生を歩ませるなんて、先生は一体どんな思いで書いていたのか・・・。
『黎明編』『未来編』『ヤマト編』『宇宙編』『鳳凰編』『復活編』『羽衣編』『望郷編』『乱世編』『生命編』『異形編』
『太陽編』、他別雑誌版で『エジプト編』『ギリシャ編』『ローマ編』の全15編が書かれていますが、何編かは書き直しされていたりします。
そしてこちらの作品、時々どれから読めば良いの?という声を聞きますが、答えは「どれから読んでも問題ない」です。
物語は古代から遠い未来まで書かれていますが、全ての時代がめぐっています。
輪廻、というべきでしょうか。
時代によって登場人物は少しずつ変わるのですが、火の鳥を始め何人かは共通した存在としてレギュラー化しています。
どうやら亡くなられる前、先生はこの作品の最後を現代にする予定だったそうです。
そして、他の代表作でもある・鉄腕アトムもこの火の鳥の世界の一部だったという話まであるので驚きです。
 
 

ネオ・ファウスト

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ゲーテのファウストが題材



時代は1970年代の学園闘争真っ只中の日本。NG大学には異変が起きていた。過激化する学生運動、5人の学生の謎の焼死体、大学の近くではヘビなどの生き物が溢れかえるという事象があった。
一方、年老いた大学教授である一ノ関は、生命の秘密と宇宙の神秘を解き明かすことができずに絶望していた。自らの人生をはかなんだ一ノ関は、大学内で自殺を図るが、そこへ女悪魔メフィストフィレス(メフィスト)が現れる。一ノ関は、生命の本質と宇宙の神秘を解き明かすために、自身を若返らせる契約をメフィストと交わす。契約は、一ノ関が満足するまで、メフィストが彼の召使として快楽の生活に導くという内容であった。……もしそれを満たせば魂を譲り渡す、という条件のもと。
(Wikipedilaより)
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これは読んではいけない読んではいけないといろんな人から言われていたのですが、逆に読みたくなるに決まってるだろ!と中古で買ったら、本当に読んではいけない作品でした。
絶筆、という形でこの作品は終わりを迎えていますが、先生が亡くなられる前、一番最後に描いた作品です。
つまり、永遠に未完なのです。
若返って人生をやり直したい、という自身の願いをかなえてもらった一ノ関は記憶を失いつつも、悲願をかなえる為に二回目の人生をやり直すのですが・・・ものすごく気になるところで物語は終わってしまうんです。
続きを読みたくても読めない苦しさが他のどんな打ち切り作品より大きくて、しばらく立ち直れませんでした。
しかし、間違いなく遺作としても手塚治虫の集大成としても素晴らしい作品です。
読了後の歯がゆさに耐えられる自信のある方は是非、お手に取っていただければと思います。
 
 

 

文章:ゆず

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