無茶ブリ3行リレー劇場ゲームルール:
①無茶ブられた人は、最低3行以上(出来る限り沢山書いて下さい)の小説を無茶ブリした人の話に引き続き書く。(更新日は日曜日)
②無茶ブられた人は、その週の話に関連する写真を1枚小説と共に掲載する。
③無茶ブリの対象は、1回でも上海ゲーム部HPに投稿した事のある人を選ぶ。
④無茶ブリの対象は連続で同じ人物を指名してはならない。最低中2週開ける事。
⑤作風は人それぞれ自由。
⑥1作品、10話目で絶対に完結させなければならない。
第9話 【サイコロ】
その生き物をネコだと認識した瞬間の事だった。
彼女は脱力し、バーの地面に突っ伏した。
前身の毛穴からは異臭を放つドロリとした粘液が大量に吹き出し、まるで彼女の体が溶けて無くなるかの様に見えた。
なにも言えず唖然と見守るバーの常連たち、
大槻が彼女に近づこうとした瞬間・・・それは起こった。
突然彼女がむくりと粘液の糸を引きながら起き上った。
見開らかれた眼は既に人のそれでは無く、眼球はただの黒い塊となっていた。
そしてゆっくり、一歩一歩ネコの方に歩みを進めた。
それが野生によるものなのか、それとも幾多の戦いを潜り抜けた戦士だけが持つ勘なのかは分からない。
ただ、その時ネコは思った。【これは・・・不味い事になる】と・・・
ネコは踵を返し、バーの扉を全速力で抜ける。その際扉を後ろ足で蹴り閉め、追跡の難易度を上げる事も忘れなかった。
その瞬間、彼女の体に2度目の変化が起こった。筋肉線維は一瞬にして膨張し、全身の毛穴が閉じて全ての粘糸は断ち切られた。
ゆっくりと前傾姿勢にフォームを整え、閉じられたバーの扉に向い突進した。
『ズドンッ』と重い音を鳴らし、木製のドアはいとも簡単に砕け散り、やがてバーで呆然としている大槻達から彼女は見えなくなった。
—————————————————————————————————————————————————-
全力で走るネコには何故か分かっていた。彼女は必ず追って来ると。そして、彼女のスピードは自分のそれをはるかに凌駕していると・・・。
既にこの星の知的生命体である誇りもかなぐり捨て、ネコ本来の4本足を駆使して逃げ続ける。
装備を脱ぎ捨て、小さな体を利用して出来るだけ人間が通れない狭い窓や扉を選び、潜り抜けた。
だが、大きな破壊音がする度、人々の阿鼻叫喚がこだまする度、彼女が確実に近づいている事を認識し恐怖した。
【あそこへ行くしかない】ネコはイアン・クックとゴア・マガラがいる神社の方向と走り出した。
—————————————————————————————————————————————————-
ネコを彼女が追跡している頃、バーでは、ある異変が起こっていた。
彼女から大量に排出された粘液がまるで別の生き物のように動き始めたのだ。
怯える大槻を含むバーの常連客をよそ目に、無張が目を細め『始まったな・・・』とつぶやいた。
バケツ一杯はあるであろうその粘体は、やがて赤みを帯び始めた。
無張はおもむろにカウンターのグラスの中にあるサイコロを取り、全て謎の粘体に投げつけた。
粘体はまるでそれが餌であるかのように見るからに嬉しそうにサイコロに絡みつき、やがて大量の煙を撒き散らし始めた。
『これ、毒じゃねぇだろうな?・・・』と誰かが言いはじめ、無張と大槻以外の常連客達はすぐさま我先にとバーから逃げ去って行った。
無張が驚いたように言う。『ほう、お前さんはにげないのかい?まぁ、逃げても同じだがね。』
最後の一言に不安を感じながらも大槻が答える。『あ、ああ、あんたは逃げなかったからな。それに一体何がどうなってんのか知りてぇ。』
バーを覆う気体が少しづつ濃度を薄め、やがて視界がクリアになっていく。
そして先ほど粘体が這い回っていた場所には、血の様に赤く、骨の様に白い見慣れぬ絵の描かれた29個の立方体が規則的にならんでいた。
次回最終話、このセカイの全ての謎が明かされる!!(ここでも無茶ぶってみるwww)
最近のコメント