【へうげもの】戦国時代のオタクの雄姿はここにある

どうもこんにちはー、最近寒くて起きれない日々が続いています。
えー今週から、普段アニメ記事を執筆しているしもみんと担当を交換して、アニメ記事を書いていくことになりました。
私らしいアニメ記事ってどうなるのかなーと考えた結果、とりあえず今回はこの作品を紹介したいと思います。

 

jan3a

 

へうげもの

 

また戦国武将ものか!?もうお腹いっぱいだよ!!とお思いの方、こいつは一味違います!
さーーーっとスクロールしようとする人差し指をなだめて、まずは話を聞いてください!

味のある装丁

味のある装丁

原作は講談社の週刊モーニングで連載中の漫画。
山田芳裕・作、現在17巻まで出ており、なんと連載中にも関わらず文庫版が8巻(今月に9巻10巻が出るそうです)まで出ています。
タイトルは「へうげもの」ですが、読み方は「ひょうげもの」。ちなみに中国語タイトルでは「战国鬼才传(zha4n guo2 gui3 ca2i chua2n)」となっています。
ひょうげる、とはふざけたり、おどけたりする、という意味で、まさにタイトル通り色んな意味で「へうげた」奴が沢山出てくる話です。

さて、この作品、具体的にどのような物語かと言いますと…。
こちらの一言に尽きます。

jan3b

 

こちらは第1話のタイトルなのですが、この作品を通してテーマはこの一言で表わすのが一番かなあと思います。
もったいつけやがって!と言う声がそろそろ聞えてきそうなので、もう少し詳しく説明します。

 

34歳、14歳下の妻をもらったばかりだそうな

34歳、14歳下の妻をもらったばかりだそうな

 主人公は、あの織田信長に20年近く仕えている、古田佐介(後の古田織部)
史実にもちゃんといる、戦国時代の文化人・古田織部の人生をなぞるこの物語。
佐介は武功とはほぼ無縁の、茶の湯と物欲に傾倒する”数寄者”。
武将として名をあげたいのだけど、どうしても物欲に負けてしまう位、その数寄は筋がね入り。

信長がかっこいい

信長がかっこいい


話聞けよ!っていう

話聞いてません

 

 主君・信長が帝より賜った、香木「蘭麝待(らんじゃたい)」が羨ましくって仕方ない!
※ちなみにこの蘭麝待は、史実でもえらい価値のあるもので、聖徳太子の時代からあると言われているお香の原木です。
 この香木は現在正倉院に保管されています。天下第一の香りだそうです。

一応武功はあげたいけど、肝心な場面で物欲が彼を襲います。
例えば第1話。
佐介は信長に命じられて、信長を幾度となく裏切った武将・松永久秀との戦で和平交渉をするため向かいます。
そして、和平の条件として、松永久秀が持つ名器・平蜘蛛を差し出すこと…を聞いて、思わず大興奮する佐介。
いやしかしそれではいかん!と彼は自分を制して、松永久秀の元へ。

 

松永久秀。あ…頭…のあれ…

松永久秀。あ…頭…のあれ…


名茶器と言われた、古天明平蜘蛛。

名茶器と言われた、古天明平蜘蛛。


松永の頭のアレよりも平蜘蛛が気になってしゃーない佐介

松永の頭のアレよりも平蜘蛛が気になってしゃーない佐介

 

こんな感じで交渉そっちのけで思わず感涙
伝説の茶器を見れて感動しております。
しかし!!この後、同期で出世頭の秀吉がやってきて、何やらひと悶着あり…。

 

 

威風堂々天守閣から顔を出したと思ったら…

威風堂々天守閣から顔を出したと思ったら…

 

平蜘蛛を体にくくりつけて、なんと爆薬を仕込み点火!!

平蜘蛛を体にくくりつけて、なんと爆薬を仕込み点火!!

 

衝撃

衝撃

 

そして爆発…平蜘蛛(とアレ)と共に自害した松永

そして爆発…平蜘蛛(とアレ)と共に自害した松永

 

蓋が宙を舞う!!

蓋が宙を舞う!!

 

あれだけでも!!と佐介は猛ダッシュ、戦場を駆け抜ける~!

あれだけでも!!と佐介は猛ダッシュ、戦場を駆け抜ける~!

 

物欲のためだけに奔走する佐介の姿は、現代のオタクにも通じるものがあります。
さながら、欲しいもののために駅からダッシュする気持ちですね。

 

熱くなった蓋をキャッチして火傷を負いましたが、なんと回収成功

熱くなった蓋をキャッチして火傷を負いましたが、なんと回収成功


お前にやる、と言われた時の顔。むっちゃ嬉しそう。

お前にやる、と言われた時の顔。むっちゃ嬉しそう。

 

あまりの数寄ぶりを見て、佐介の欲は俺のを上回ったか…と信長を爆笑させる佐介。
物の為に命をかける佐介の暴走っぷりは必見。
そして、佐介が茶器や芸術的なものを評する時、独特な表現をします。
「はにゃあ」「ズドキュッ」「ガニッ」など、とにかく擬音が凄い(笑)
大阪人の道案内(「そこの角をシュッと曲がって、まっすぐビャーって行けばあるで」的なもの)を思い出す擬音表現は何故か納得してしまうもので、一つの見どころ。

この数寄者・佐介が、どうやって名をあげて、信長から秀吉、そして家康の時代を生き抜いたのか
様々な数寄者とそうでない者との関係は想像以上に複雑で面白い。
いわば、オタクとオタクじゃない人とのやり取りです。
そしてなんといっても、この作品は明智光秀・豊臣秀吉・千利休の解釈が斬新。
信長暗殺の本能寺の変は驚きの描き方をされています。
で、佐介もかなり癖のある魅力的な人物ですが、他の登場人物も負けてません。

左上:明智光秀 右上:千利休 左下:豊臣秀吉 右下:徳川家康

左上:明智光秀 右上:千利休
左下:豊臣秀吉 右下:徳川家康

 

史実でもこちらの作品でも苦労の人・明智光秀。
佐介の茶の湯の師匠で、もう一人の主人公と言ってもいいくらいの扱いで、簡単には死にそうにないスーパー茶人・千利休。
想像以上に腹黒くて野心メラメラな後の天下人・豊臣(羽柴)秀吉。
良くも悪くも田舎者で、数寄を嫌う、我慢の末、天下を手に入れる・徳川家康。

 

左上:伊達政宗 右上:福島正則 左下:石田三成 右下:細川忠興(と父・幽斎)

左上:伊達政宗 右上:福島正則
左下:石田三成 右下:細川忠興(と父・幽斎)

 

なんか色んな意味でかぶいてる男・伊達政宗。(眼帯にD…)
なんか某ボクサーっぽい感じの男・福島正則。(実際声はモデルになった人ですw)
数寄が理解できない、感情も眉毛も乏しい男・石田三成。(眉毛はどこにいったのか)
千利休の弟子で数寄に取り憑かれた暴走野郎・細川忠興。(父とはプロレスのような喧嘩をしています)

このほかにも、個性的過ぎる武将がわんさかでてきます。
昨今の戦国物はイケメンぞろいでお腹いっぱい(といいつつ色んな戦国物に私はハマっていますが)と思っている人はもちろん。
何かのオタクであれば思わず引き込まれてしまう、登場人物たちのすさまじい「欲」は癖になる面白さ。
まあ癖が強すぎてリタイヤされる可能性はちょっとありますが…まずは1話を見ていただきたいなと思います。

 

あとはなんと言っても顔芸の多さ。 顔芸の嵐と言ってもいいくらい。

あとはなんと言っても顔芸の多さ。
顔芸の嵐と言ってもいいくらい。

そして何より、この作品、天下のえぬえいちけーで深夜放送していました。
わりと下ネタもおいろけも入るのですが、かなりギリギリまでやってくれました。
ていうかほぼ原作通りです。素晴らしい。
残念ながら原作に追いついてしまったので、ある程度キリのいいところで終わっていますが、全39話と、「なんかちょっとずつなら全部見れるかな…?」って感じる微妙な話数。

オシャレです、とにかく

オシャレです、とにかく

 

OP,EDは原作の妙なシュールでスタイリッシュさを損なわない仕上がり。
そしてジャズがなんだかマッチ。
見れば見るほど味がでてくる、そんな作品。

 

――戦国時代のオタクの生きざまをしかと見届けろッ!!

 

 

ゆずの甘口アニメ評価

「へうげもの」
 オリジナリティ ★★★★★
 ストーリー   ★★★★★
 シュールさ   ★★★★★

 

文章:ゆず

【関連してそうな記事】



宜しければ上海ゲーム部を応援していただけますよう、よろしくお願い致します。
(下のタグを1クリックして下さい。)


にほんブログ村 海外生活ブログ 上海情報へ

Tags: ,

Leave a Reply(コメント)

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*
*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください