【ガーマンソンの詩】無茶ブリ3行リレー劇場 第8話

無茶ブリ3行リレー劇場ゲームルール:

①無茶ブられた人は、最低3行以上(出来る限り沢山書いて下さい)の小説を無茶ブリした人の話に引き続き書く。  (更新日は日曜日)
②無茶ブられた人は、その週の話に関連する写真を1枚小説と共に掲載する。
③無茶ブリの対象は、1回でも上海ゲーム部HPに投稿した事のある人を選ぶ。
④無茶ブリの対象は連続で同じ人物を指名してはならない。最低中2週開ける事。
⑤作風は人それぞれ自由。
⑥1作品、10話目で絶対に完結させなければならない。

第8話 【ガーマンソンの詩】
 
百葉箱の前では、1人の少年に対して3人の学生が殴る蹴るの暴行を繰り広げていた。
僕達の村の闇を凝縮したような、そんな風景がそこにはあった。
 
僕の生まれた村では、いや、この言い方はきっと正しくない。正確にはここで生まれたかすら僕にはわからないのだから・・・。だから敢えてこう言おう、『僕が育った村では』と。
 
 
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この、決して地図に載ることは無い僕達が育った村では中学生になると毎年抽選が行われ、役割が与えられる。
 
芥子畑で農作業に従事する者、作物を精製し粉末状にする者、都会に出てそれを売りさばくもの。
鉄を鍛える者、火薬を調合するもの等、これらが何に使われるのかもわからないまま僕達はただ与えられた仕事をこなし、その大半が40歳を迎える前に過労とガーマンソン中毒により死んでいく・・・。
 
そして13ある中高クラスの中でも一番特殊な役割、それが『贄ノ神』だった・・・。
 
贄ノ神とは言うなればこの村で働く人々のストレスの捌け口の事だ。
 
贄ノ神の役割を与えられたものは以下の設定と制約が与えられる。
 
一つ、贄ノ神様は命を落とさない。
一つ、贄ノ神様は自ら命を断つ様な事はなされない。
一つ、贄ノ神様は何をされてもそれを受け入れてくださる。
一つ、贄ノ神様は人の命を奪われない。
一つ、贄ノ神様は雨乞いを行われる。
一つ、贄ノ神様はガーマンソンを与え、夢を見せてくださる。
一つ、??????
 
村人たちの贄ノ神に対する全ての行いは肯定され、『神は命を落とさない』と言う根も葉もない迷信を盾に、昼夜を問わずこの百葉箱の前で行われているような村人たちによる儀式と称する行為が繰り広げられている。
 
男児は暴力の対象としてだけではなく、都会の製薬会社の新薬実験、そして金持ち達への臓器提供を求められる事が多い。
女児は性玩具として村の権力者に従事したり、村人達の慰み者にされた挙句、誰の子かも分からない子を産む事を強要される事が多々あると聞く。
 
そうして、神の役割が与えられる事に怯えた分だけ、生き残った村人はいまの役割に幸せを感じる仕組みなのだ。
こういった蛮行が繰り広げられる背景には、もう一つ理由がある。村人たちの中には成人に達する前からこの村の主要特産物であるガーマンソンと言う粉末を口径摂取する者がいて、その強烈な幻覚作用によりこの村の狂気に気づいていない者も多いのだ。
 
特別なケースを除き、殆どの神と呼ばれた少年少女は1年と持たず命を落とす。当然僕と同じ年に神になった者達はもうこの世にはいない。
 
・・・そして、僕だけがまだこの世にいるのには『ある』理由がある・・・。
 
そう、初めて神に選ばれた夜のことだ。僕は村のバイヤー達によって大型トラックに連れ込まれた。中には気味の悪い都会から来た男たちがいて、その日そいつらは僕を歪んだ欲望の捌け口ににしたんだ。
 
育ての親さえも助けてはくれないと分かっている深い絶望の中、必死で彼女の名前を呼んでいたのを今でも憶えている。
 
後で知ったことだけど奴等は今の医学では治療できない免疫不全を起こす感染症の患者達だったらしく、その噂は瞬く間に村中に広がり、その日から感染るのを恐れてだれも僕に触れようとはしなくなった。
 
自分でも本当におかしな話だが今では僕はあの都会から来た奴等に感謝すらしている。自ら命を断てない僕に緩慢な死と、彼女を救う力を与えてくれたのだから。
 
ねぇ千鶴子、今度は間違えたりしない。僕はきっと君を・・・。
 
僕はそっと親指を咥え込み、目を瞑る。
まぶたの向こうには君の笑顔と寂しそうな表情、そして贄ノ神と呼ばれ死んでいった同級生達の姿が浮かぶ。
 
渾身の力を込め親指を食いちぎり目の前で暴行を繰り広げる3人の学生に対し僕は叫ぶ!
 
 『おい人間共っ!俺がテメエらの神だっ!!』
 
<<続>>
 
次のターン:【ねかわ】さんを指名します。 
 
メッセージ:こんなことしておいて悪いんだけど、切ないラブストーリーをお願い致します。
 
文章:K

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