スペイン・ムルシア州立舞踊団公演「カルメン」を観に行きました。
中国語名だと「卡门(発音:かーめん)」。
カルメンを知らない方もいらっしゃるので、簡単にあらすじを書いておきましょう。
====あらすじ====
【第一幕:かーめん!かーめん!かーめん!】
地下鉄を降り、劇場(上海东方艺术中心)に向かって歩いた。劇場に近づくと「かーめん!」「かーめん!」「かーめん!かーめん!かーめん!」と叫ぶ声が響きわたり、異様な盛り上がりをみせている様子。中国でも大人気なんだなと感激に浸りつつ、劇場前に到着した。
【第二幕:謎の集団】
劇場前で待ちつつ、辺りを見渡していると、盛り上がり叫んでいる集団に目が行った。その瞬間、集団の中の男女と目があってしまった。
一瞬、本能的に「やばい」と感じ、すぐに目をそらした。が、遅かった・・・
【第三幕:絶体絶命】
男と女が「かーめん!かーめん!」と叫びながら私に向かって来ている。やばい、やばい、一直線に向かってくる。しかも、何か鈍く光るものを握りしめながら・・・
突然、男が手に握りしめたものを私に突きつけ、「有票!有票! 要票吗? 卡门!卡门!」と叫んだ!
【第四幕:ぶー・・やお・・・】
鈍く光っていたものは「チケット」だった。大型LEDスクリーンの光がチケットに反射して、鈍い光を放っているように見えただけだった。
あまりの出来事に私はしばらく反応出来なかった。ふと我に返り「不・・要・・・」と一言。その時できる精一杯の反撃だった。
男と女は何事もなかったかのように、再び「かーめん! かーめん! かーめん!」と叫びながら、次の獲物に向かっていったのである。
====おわり====
「かーめん!かーめん!かーめん!」と叫んでいた謎の集団は「ダフ屋」だったんですね。劇場の前や車やタクシーで降りてくる人々にチケットを売りつけていました。
さて、本当の「カルメン」は、とても素晴らしかったです。フラメンコの歌・踊り・伴奏が織りなす舞台は、興奮と感動をもたらしてくれました。本物を目の前で観る迫力と感動と素晴らしさは、何ものにも代え難いですね。
特にメイン(主役)の女性ダンサーの踊りは、指先の動きまで繊細で美しく、力強さもあり、素晴らしかった。
あと、目を引いたのは、ちょっとオバちゃんなダンサー。オバちゃんダンサーは一人だけでしたが、ピンで踊っている時の存在感がすごかった。若いダンサーに比べ、細やかな動きのキレやダイナミックな動きなどは劣ってしまいますが、そんなのは関係ないんじゃーっていうくらいの存在感は、観てる人たちを魅了しました。素晴らしかったです。踊り終えた時の会場の盛り上がりは、割れんばかりの歓声と拍手でした。
面白いダンサーもいました。若い背の高い男性ダンサーですが、気合の入っている時の踊りと、手を抜いている時の踊りのギャップがありすぎて、心の中で大爆笑です。後ろで踊ってる時も、ちゃんと踊れば、メインを張れる日も近いんだろうなーと思いながら・・・。
いい席を取って頂いたので、舞台を目の前で観れました。細かな動きや表現、表情などがよく見え、とてもよかったです。
いや〜 舞台は本当にいいものですね。
※舞台の写真は撮れませんので、掲載できません。
P.S.
観劇後の食事は「冷やし中華」を食べました。
文章:ベンジャミン
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