出版:Yoka Games(中国)
デザイナー:Daniele P. Correale
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:15~30分
ゲーム概要:
回転寿司店で、寿司を選んで取りましょう。
どの組み合わせが美味しそうかな。
落とさないように気を付けて!
ミズタニです。
前回は台湾のゲームを紹介したので、今回は中国大陸のゲームを紹介したいと思います。
『回転寿司』は、『三国殺』で有名なYoka Gamesが出している数少ないボードゲームらしいゲームです。
2010年のエッセンシュピール(世界最大のテーブルゲーム展示会)でも出展されていたようで、
世界最大のテーブルゲームデータベース、Board Game Geekにも登録されています。
このゲーム、日本語での紹介は見つからないので、本邦初公開だと思います。
コンポーネント: 1.シャリ
2.ネタ
3.酒
4.ワサビ
5.醤油
6.ガリ
7.ボーナスタイル
8.箸
9.ゲームボード
10.寿司皿
11.スコアボード
シャリは白と黒の2色で各24個。
ネタは6色で各8個。
目につくのは箸。
ゲーム開始時には各プレイヤーに、箸1膳、寿司皿1枚、スコアボード1枚のほか、ガリとワサビが1つずつ配られる。
まさかボードゲームの紹介で膳という単位を使うとは思わなんだ。
ルール概要:
ゲームの流れはいたってシンプル。
1人ずつ中央に置かれたゲームボードに並べた寿司を自分の寿司皿に取っていき、全員が9つ取ったらゲーム終了。
終了後に得点計算をし、勝者を決める。
得点のメインはネタの色の組み合わせ。
寿司皿の縦横3列ずつ計6か所で、スコアボードに従って得点を計算する。
自分の手番では必ず寿司を取ることができるので、ゲームは9周で終了することになる。
まずはゲームの準備から。
ゲームボードにボーナスタイルを並べ・・・
その上にシャリとネタを組み合わせて作った寿司を並べる。 ネタの置き方は自由だが、シャリはお勧めの色別の置き方が説明書に書いてある。
このゲームは実に写真映えがする。
黒のシャリは軍艦巻き、色鮮やかな緑はアボガドと理解するとして、黒のネタがいったい何なのかはこのゲーム最大の謎である。
これを1つずつ取っていくのだが、どうとるのかと言えばもちろん・・・
取るときにルールがいくつかあり、
●酒の置かれた列から取らなければならない
↑ゲーム開始時はスタートプレイヤーの目の前の「松」に置かれる
この時、手元にある「ワサビ」を消費すれば、酒を前後2マスまで動かすことができる。
が、「ワサビ」は得点計算時にポイントになるので、あまり使いたくはないところ。
●取った寿司は、すでに寿司が置かれているマスの隣にしか置けない
●寿司をゲームボードか寿司皿以外の場所に落としてはいけない
もし落としてしまったら、「醤油」を受け取る。
「醤油」は最後にマイナス点となる。
なお、寿司を落としても、寿司皿に置くことはできる。
●ボーナスタイルをオープンし、書かれたボーナスを受け取る
タイルの中身は4種類で、ハズレもある。
もちろんいいものほど枚数は少ない。
ガリかハズレがほとんどだ。
寿司を落としてしまった場合、ボーナスはもらえない。
●シャリの色が違う寿司はガリで隔てなければならない もしガリが足りず、白のシャリと黒のシャリを直接並べてしまった場合は、その列の得点を計算しない。
寿司が置かれたら酒の場所が移動する。
移動先は、手番プレイヤーが寿司を置いた場所にある絵と同じ絵が描かれた場所。
「松」に寿司が置かれた場合は、酒も「松」の場所に移動する。
酒が移動したら手番が次のプレイヤーに移り、同様に寿司を取る。
これを繰り返し、全員の寿司皿に寿司が9個乗ったら終わり。
得点計算時は、
・寿司ネタの色の組み合わせ
・シャリの色のうち少ない方の個数
・手元に残ったワサビ
がプラス点に、
・醤油
がマイナス点になる。
総括:
何よりも箸使いの上手さが試されるという一風変わったゲームです。
ルールを読むと、制限が多くて考えることが多そうですが、
実際にプレイしてみると、取れる寿司が少なくて選択の余地がないという状況になることが多いです。
頭を使うというよりも、わいわい楽しむパーティゲームの類です。
箸使いに慣れていない子供や外国人を交える場合は、時間制限を設けるなどでハンデを付けるといいでしょう。
ルール以外のゲームデザインでは、
「なぜガリが寿司皿の真ん中に?」「ワサビこそマイナス点では?」「そもそも寿司、回転しとらんやないか!」
などとツッコミどころが多いほか、ボーナスタイルのチープさは何とかならんのかといいたくなります。
木製のシャリとネタは感じがいいだけに残念。
また、色覚異常者が全くゲームに参加できないというのも、昨今のゲームデザインの主流からは外れているでしょう。
それでも、ボードゲームに箸を使うという発想の突飛さはやはり面白いです。
出版社は中国のYoka Gamesですが、デザイナーはイタリア人のDaniele P. Correale。
この他にはゲームを出していないようですが、次回作が出るなら注目したいなあ。
↑デザイナーがイタリア人というのはなんとなく納得。ツイッターで画像をアップしたら「リッツパーティ」とツッコまれた。
文章:T.Mizutani
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