出版:Repos Production(ベルギー)
デザイナー:Bruno Faidutti
プレイ人数:2~13人
プレイ時間:30分
ゲーム概要:
不思議な仮面舞踏会へようこそ。
王様?判事?審問官?
自分が誰か、相手が誰か、誰が誰だかわからないまま舞踏会は進みます。
こんにちは、ミズタニです。
今回は『Mascarade』をご紹介します。
上海ゲーム部でも何度かプレイしています。
『Mascarade』は『操り人形』で有名なブルーノ・フェイドゥッティ氏がデザインしたゲームです。
Mascaradeとは「仮面舞踏会」の意で、テーマに合ったカードと箱絵のイラストが特徴的です。
「仮面舞踏会」と聞いて「トゥナイヤヤヤヤヤディヤ!」と再生された方はそれなりの年齢かと存じます。
コンポーネント:
1.コイン
2.キャラクタートークン
3.裁判所ボード
4.キャラクターカード
キャラクターカードは全部で13枚(12種類)で、それぞれ異なる能力を持っている。
ゲーム開始前に各プレイヤーにコイン6金とカード1枚が配られる。
なお、4人プレイのときは2枚、5人プレイのときは1枚のカードが別途中央に配られる。
キャラクターカードは、6人以下でプレイする場合は6枚、7人以上でプレイする場合は人数分しか使わない。
説明書に載っているお勧めのキャラクターの組み合わせを参考にしてゲームに使うカードを選ぶとよい。
↑ゲームに使っているキャラクターがわかるように中央に置いておくトークン
ルール:
このゲームは誰かが13金分のコインを集めた時に終了し、そのプレイヤーが勝者となる。
また、誰かが破産した場合もゲーム終了で、その時点で最も所持金の多いプレイヤーが勝者だ。
↑ゲームは各プレイヤーの前に1枚ずつ裏向きのカードが置かれたまま進行する
ゲームは各プレイヤーが1度ずつアクションを行うことで進行する。
自分の手番で行うアクションは、
-
カードを見る
- カードを交換する
- カードの能力を使う
の中から1つを選択する。
●カードを見る
自分のカードを秘密裏に見ることができる。
このゲームでは、たとえ自分のカードであっても自由に見ることはできないのだ。
見るためにはアクションを消費しなければならない。
●カードを交換する
自分のカードと他のプレイヤーのカード1枚を裏向きのまま、机の下で交換する、または交換するふりをする。
この時、交換するプレイヤーもされるプレイヤーもカードを見てはいけない。
●カードの能力を使う
キャラクターの名前を1つ宣言し、その能力を使うことができる。
例えば、「私は王様の能力で、コイン3金を手に入れます」などといった具合。
この時、他のプレイヤーは、「自分こそが真の王様だ!」などと、宣言されたものと同じキャラクターカードを持っていることを名乗り出ることができる。
誰かが名乗り出た場合は、手番プレイヤーと名乗り出たプレイヤーすべてが一斉にカードをオープンする。
その中で、本当に宣言されたキャラクターカードを持っていたプレイヤーは即座にそのキャラクターの能力を使用する。
その後、嘘をついていたプレイヤーは罰金としてコイン1金を裁判所ボードの上に支払わなければならない。
誰も名乗り出なかった場合、手番プレイヤーはカードを公開することなくそのキャラクターの能力を使用する。
さて、キャラクターにはどんなのがいるのかというと・・・
○王様
コイン3金を受け取る。
シンプルながら強力。
○判事
裁判所ボードの上にあるコインを全て受け取る。
状況によっては王様よりも強力なのでマークされがち。
○詐欺師
所持金が10金以上ある時点で詐欺師の能力を使うことができれば勝利する。
使いどころが難しい能力ではある。
○農夫
1人だけで能力を使った場合はコイン1金、2人公開された場合は2金を受け取る。
このゲームで唯一、カードが2枚あるキャラクターである。
上海ゲーム部でなぜか人気。
○道化
1金を受け取り、他のプレイヤーのカード2枚を交換する、または交換するふりをする。
場をかく乱する役割。
などなど。
各キャラクターの能力を把握しておかなければならないので、ルールブックでは、初めは8人以下のプレイが推奨されている。
総括:
ルールを読んだだけだと、「人狼」のように、自分の正体を隠しつつ嘘をついて他のプレイヤーを騙すゲームのように思えますが、プレイしてみると、自分の正体はそれほど重要でないことがわかります。
他人にばれたところで、投票で処刑されることも狼に食べられることもないのです。
それよりも大事なのは、他のプレイヤーがそれぞれのカードを把握できないよう積極的に妨害することです。
特に、13金にリーチがかかったプレイヤーが出てくるゲーム終盤では、各プレイヤーの状況に絶えず気を配る必要があります。
王様や判事が目を付けられやすい反面、農夫などはマークされにくいんですよねえ。
対応人数が幅広く、ルールも複雑ではないので、パーティーゲームとして初心者も誘いやすい、という点はこのゲームのいいところです。
とはいえ、周りをよく見なければならない、という点で、深みのあるゲームにするにはメンバーを選ぶかもしれません。
もっとも、これは『ごきぶりポーカー』、「人狼」や『髑髏と薔薇』はたまた『赤ずきんは眠らない』などにも言えることです。
簡単にプレイできるけど、深みが感じられるほどに面白くなるかどうかはメンバーにゆだねられる、というのは、結局のところブラフゲーム共通の悩みなのかもしれません。
↑中国ではAsmodee Chinaが『化裝舞會』というタイトルで出している
文章:T.Mizutani
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