こんにちは、whoです。
上海ゲーム部1周年企画!今回紹介する漫画は白土三平作の忍者漫画「サスケ」です。
どうしてこの漫画を紹介する事になったかと言うのは、ある日の上海アニメ部で鬱アニメについて、話題が盛り上がっていたから。
鬱アニメもいろいろあるけど、鬱エンドの漫画と言えば「サスケ」。漫画だけどこれは間違いなく相当上位の鬱エンド。
あえてネタバレ覚悟でどのようなエンディングを迎えたか書こうと思います。なぜならこのエンディングに行き着くまでがどうだったのかということの方が重要なので!詳しくは是非読んでみてください。
さて、そんなエンディングがどうだったかと言うと、
サスケが身を寄せていた村の農民が代官(柳生十兵衛)の対応に怒り一揆をおこす。しかし、一揆は必ず粛清される。
そして粛清対象は一揆をおこした農民達すべてに及ぶ、当然女子供も含めて。
梅ちゃん(サスケの腹違いの弟こざるの面倒を見てくれている女の子)とこざるも粛清対象である。サスケは抜け忍となって日が経ち、忍術の腕が落ちているのにもかかわらず機転で柳生十兵衛を出し抜くが、サスケがいくら頑張ろうとも農民を救う事は出来ない。
結局梅ちゃんはさらし首、こざるは行方不明。しかし赤ん坊でさえ粛清されている状況では到底生きているとは思えない。そして・・・
焼け野原となった戦場を放心状態で歩くサスケ。十兵衛配下の死巻がサスケを見つけ手裏剣を放つが、放心状態のサスケはよけることもせず、手裏剣が刺さったことも分からず、こざるが生きているのではないかと焼野原を彷徨う。十兵衛はその姿を見て殺す価値は無いと判断する。
結局、サスケは社会のシステムを末端から変えようとしたがシステムに飲み込まれ変えることが出来なかった。
支配される農民側と支配する幕府側と言う関係は変わらなかった。
しかし、ここで幕府側の代官を見てみると一人目の代官はサスケによって倒された。
その後来た代官は農民の気持ちを組んでくれたが、幕府の人間としてのケジメで腹切り自殺。
最後は柳生十兵衛が変装した偽代官が来たが、十兵衛は最初の代官の対応と変わらなかった。
結局システムから送り込まれた人間をどうにかしたとしても、システムは次の人間を送るだけ。支配する幕府側の人間もシステムに支配され動いているだけである。
農民の暮らしは改善しなかったばかりでなく、一揆の代償として幕府に粛清される。日々の暮らしと社会のシステムについては現代にも通じるテーマです。
サスケは末端から社会を変えようとして、結果として変えられなかった。この後、サスケがどうなったのかは分かりませんが、このサスケの事件にちょっとだけ由井正雪が出て来るのですが、彼はこの惨状を見て、由井正雪の乱を起こそうとすると言うような描写がされます。
由井正雪の乱以後、武断政治から文治政治へ幕府が変わっていった事を見ても、サスケ本人のラストは良い結果にはなりませんでしたが、作者はやはり末端から社会を変えようとする行為を否定していないのではないかと思います。
史実ではないものの江戸時代の話ですので、その後社会がどうなったのか我々は知っています。江戸時代をみて、現代に照らし合わせ、未来を占うとしたらこの後どうなるのでしょうか。我々にできることはやはり自分にできることから変えていくと言うところなのかもしれません。
文章:who
Pingback: K