無茶ブリ3行リレー劇場ゲームルール:
①無茶ブられた人は、最低3行以上(出来る限り沢山書いて下さい)の小説を無茶ブリした人の話に引き続き書く。
(更新日は日曜日)
②無茶ブられた人は、その週の話に関連する写真を1枚小説と共に掲載する。
③無茶ブリの対象は、1回でも上海ゲーム部HPに投稿した事のある人を選ぶ。
④無茶ブリの対象は連続で同じ人物を指名してはならない。最低中2週開ける事。
⑤作風は人それぞれ自由です。(今回は出来るだけ注訳を入れながら)
⑥1作品、10話目で絶対に完結させなければならない。
第八話【追跡】
「これで私は晴れて自由の身だ。」
長かった・・・
テラ(クカキソクウイカトツセウョシウョギンサノコヨダンナクトレダの母星)で異種族交配を反対してから1年 (テラでの1年は地球の10年と同じ) 。
§〄✆➺✺の情報はログミローンの統治機構からの報告書と人工衛星による観測データ(※)から得られるが、研究所での立場が危うくなり、§〄✆➺✺の情報も得にくくなってしまった。
「テラにおけるヒトは万物の霊長であり、何者にも侵されることは許されないのだ。ヒトの姿を保つことが出来た種族だけとはいえ、異種族が入り混じったヒトは、もはやヒトと呼べるのか?」
研究員たちは選民思想なんて古い考えだと一笑に付したが、ヒトとしてのプライドを捨ててまでも生き延びたいとは思わない。
こうなれば§〄✆➺✺へ直接行って、実験現場そのものを破壊してやる。
(※) §〄✆➺✺は星全体を特殊な膜『カクレミノーン』で覆われている為、原則的に惑星外からの観測は不可能である。これは他の知的生命体に観測されないように、大昔にテラがログミローンの統治機構を通じて講じた情報漏えい対策である。
『カクレミノーン』の影響を受けることなく観測できるのは『モロミエメラルド』を触媒にしたレーザー計測のみで、このレーザー計測機を搭載した人工衛星で記録したデータはテラの異種族交配研究所へ送られる。
正体を隠すため、異種族交配された姿に擬態を施した。擬態した我が身を鏡で見ると虫唾が走った。しかし自身の理念を通すために最も忌み嫌う姿に変えるという矛盾はこの星に来た目的を忘れさせずにいてくれる。
ログミローンでリー・ジョン・ユウコウと出会ったのは予定通りだったが、予想以上の成果だった。「王国の王子」という立場はもちろん、ヒトとほぼ変わらないその姿は精神安定剤がわりとも言えた。頭も良く、研究成果を討論し合う時は研究員時代を思い出させてくれたものだ。こんな形で出会わなければ最高の親友になり得たが、惜しむらくは父方がTENGAの血を引いている為に純血とは言えなかったことか・・・
おっと、思い出話はここまでだ。
テラの諜報員に私の正体が暴かれてから強制送還の通告があったが、この偽装死亡でしばらくは攪乱できただろう。今頃は私を拘束しようと追っ手が動き出している頃だが、あと2日で滅ぶ星に好きこのんで向かう者は少ないはずだ。この星を脱出すれば広い宇宙でたった1隻の宇宙船を見つけることは不可能。あとは私が何をしようと自由だ。
ペラパンダの自浄作用による天災でこの惑星は滅びゆく運命にあるが、リーがペラパンダを全て殺して危機を救う可能性もある。ペラパンダを絶滅させると、その惑星は急激に回復するからな。いや、絶滅させなくても自浄作用を止めることはできる。「あれ」を止めさせれば良いだけなのだから。ペラパンダを研究していたリーなら気付くかもしれない。
だがもう自浄作用を止めることができようとも手遅れだ。ズォグオズオ大陸のゲルに接触した新種のウィルスは変異したことで自浄作用で消滅されない。新種のウィルスは致死性の高さはそのままに、ゲルの記憶追憶機能を併せ持つ。さらに寄生した宿主の嗜好が強調、反芻されて他に何も考えられなくなるようだ。感染者は凍ったパイの実の味を想像しながら恍惚の表情で死んでいった。
この様子ではあらゆる生命は絶滅するだろう。私の目的は達成したと言える。防護服を着ているとはいえ、この星に長く居続けるのは危険だ。ログミローンの統治機構本部の地下に隠している宇宙船で脱出しなければ。
ヒロ・シンは宇宙船に乗るためログミローンの統治機構へ移動した。
統治機構専用船を降り、廃墟と化した統治機構本部のエントランスへ入った瞬間、目に入ったものは意外なものであった。
「やはりここに帰ってきたか、ヒロ・シン」
エントランスに静かに響く声の主、リー・ジョン・ユウコウとテラの諜報員、ジャニィ・オギシバが待ち構えていた。
次のターン:【ベンジャミン】さんを指名します。
メッセージ:とっ散らかしたこの小説をどうかお願いします・・・
文章:ヤス
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