小学生の頃、僕は団地に住んでいたのですが、キックベースやニューお化け屋敷ゲーム等のボードゲームに夢中でした。友達と一緒に遊べるそれらのゲームは子供たちの間で瞬く間に流行し、僕たちを虜にしていきました。特に一人っ子だった僕にとって、それはとても大切な時間でした。
そんな中、デジタルの世界ではドラゴンクエストの大流行がはじまりました。僕も含めて皆復活の呪文(ゲームを続きから始める為の長いパスワード)を暗記したり、みかがみの盾を買った買わないで大騒ぎしていました。
キックベースをやる子供たちは空き地から消え、団地の廊下にボードゲームを広げる者はいなくなりました。ベランダからその風景を見る度、少し心がチクチク痛んだのをを今でもよく憶えています。
ドラゴンクエストのブームが去った後も、僕が好きだったその風景はもう二度と戻る事はありませんでした。思えばあの時が日本に於けるアナログゲームとデジタルゲームの戦いに決着がついた瞬間だったのでしょう。
しかしアメリカやヨーロッパ戦線では、息絶え絶えになりながらも戦いを続けている人々がいました。そしてやがて実際に触ることが出来る事を最上としている復古主義者の1人が言い出しました。
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーの元となったTRPGをそのままボードゲームにすればあの時代が取り戻せるのではないかと・・・。
今回は、私と家出好きの友人が最も愛するゲームを紹介します。好き過ぎて少し熱がこもり過ぎてしまったらごめんなさい。連休中も毎日出勤させられて少しブチ切れぎみなだけなので、許してね!(はぁと)
名前:『ルーンバウンド』(原題:RUNEBOUND)
作者:マーティン ワレス&ダレル ハーディ
作者:マーティン ワレス&ダレル ハーディ
製造:2005年
発祥:アメリカ
人数:2~6人
時間:9時間(上海ゲーム部オリジナル:Infinity Edition)
発祥:アメリカ
人数:2~6人
時間:9時間(上海ゲーム部オリジナル:Infinity Edition)
内容:
剣と魔法が支配する幻想世界テリノス、ここで嘗て人間はドラゴンを崇拝し供物を捧げ、ドラゴンは人に神秘の力、ルーンを与えた。共存共栄の時代である。
それから数百年の月日が過ぎ、ドラゴンは自らが守護する自由都市に干渉するようになる。やがてドラゴン達は派閥を形成し、北方を支配するドラゴンハイロードコリーナ派と南方を支配するマーガス派に分かれていった。
両派閥の小競り合いはやがて大きな争いへと発展していくことになる。マーガスはコリーナに与する人の排除を始め、人々はコリーナ側につき、ここテノリスを2分する大戦争が終に勃発した。これが世に言う巨龍大戦である。
戦いは壮絶を極め、数多の人間、エルフ、ドワーフ等そしてドラゴンやドラゴンロード達が命を落とした。コリーナ陣営の首都セルスヴァンは崩壊し、そこを守るグリフォン騎士団も大きな被害を受けた。だがこの無慈悲な戦いにも終わりの刻が訪れる。コリーナが最後の力を振り絞り、自らの命と引き換えにマーガスに致命傷を与えたのである。
しかしコリーナという主柱を失った人間たちに、残るドラゴンロード達を完全に葬り去る力は残されていなかった。それでも人間たちは多くの犠牲と決死の団結により、辛くも終に強力な結界内にドラゴン達を封印することに成功したのである。
それから350年・・・今新たに世界の支配をもくろむネクロマンサー、ヴォラケッシュ卿が世界を転覆する兵器として、嘗てテノリスを混沌に陥れたドラゴンハイロードマーガスを復活させ利用しようとしている。この世界の平和を守るため、今テノリスで1人の英雄が立ち上がった。
ルール
このゲームは進める毎にランダムでストーリーが進んで行く様に仕組まれています。大筋としては、ヴォラケッシュ卿がテノリスのいたるところで暗躍し、マーガスを復活させてしまいます。ターンが進む毎に都市はどんどん破壊されていきますので、世界が破滅してしまう前にマップのどこかに潜むマーガスを探し出し、誰よりも早く倒すか、3匹のドラゴンロードを倒した者が勝者となります。(上海ゲーム部のInfinity Editionはそれだけで済まず、裏ボスが存在します。)
①先ずは英雄カードを選ぶところから始めます。これがこれから9時間あなたのキャラクターの能力となりますので、悔いの無きよう、選びましょう。本当はランダムで1枚引いてもよし、3枚、5枚から選んでもよしです。上海ゲーム部では、全ての拡張英雄(島、砂、氷、森闇、DQ、EX)が揃っていますので6枚ずつ引いてそこから1枚を引いて次に回すドラフトタイプを選んでいます。
英雄はそれぞれ、基本ステータスとして、集中力(遠隔攻撃/防御力)、筋力(近接攻撃/防御力)、精神力(魔法攻撃/防御力)、ライフ(HP)、スタミナ(MP)の数値を持っています。これに加え、固有の特殊能力を持つ者もいるので、悩み所です。因みに、基本ステータスは経験値を積み、レベルアップすれば、成長させる事が出来ます。
②次に、英雄カードに対応したフィギアを受け取ります。上海ゲーム部ではアバターをLEGOで作ります。そうすればエルフやドワーフも選べるし、ワーウルフや王様や忍者だって選べます。かっこいい装備を持たせて冒険に出発させましょう。
③ゲームに参加するキャラクターが決まったら、いよいよゲームボード準備の説明です。ここからは上海ゲーム部完全オリジナル仕様(Infinity Edition)ですので、普通のルーンバウンドが知りたい方は他をお探し下さい。マップは全部で6枚使用します。
中央テリノス
平原と山が広がる肥沃な大地です。特に移動にペナルティーも無いので、最も移動しやすい場所です。テーブルの中央に配置します。(PVP可能地帯です、死亡時経験値ペナルティー有り。)
トルー・アルベス諸島
中央テノリスの南に位置し、土地の半分以上が海になっている世界です。船での移動は船長を雇わないと海に出ることは出来ない。中央テノリスの下に設置します。海ではこの土地固有の怪物と戦闘する必要があります。(PVP禁止地帯、死亡時経験値ペナルティー無し。)
イスヘイム雪原
中央テノリスの北に位置し、土地が全て雪に覆われている世界です。歩く度に凍傷カウンターを受けるので、定期的に町に戻り体を温める必要があります。中央テノリスの上に設置します。(PVP禁止地帯、死亡時経験値ペナルティー無し。)
アル・カリム大砂漠
中央テノリスの西に位置し、砂漠に覆われた世界です。歩く度に熱射カウンターを受けるので、定期的に町に戻り体を冷やす必要があります。中央テノリスの左に設置します。(PVP禁止地帯、死亡時経験値ペナルティー無し。)
ザナガ大森林
中央テノリスの東に位置し、森林に覆われた世界です。都市の外で移動を終了した場合、徘徊するこの土地固有の怪物と戦闘する必要があります。中央テノリスの右に設置します。(PVP禁止地帯、死亡時経験値ペナルティー無し。)
滅びた世界
ゲーム終盤、全ての町が滅んだ場合、中央テノリスの代わりに使用します。中央の町にいない限り、毎ターンダメージを受けます。
繋げると、こんな凄いことに・・・マップが巨大すぎて写真に写りきりません。
④マップの上に、それぞれ緑、黄、青、赤に対応したアドベンチャーカウンターを置きます。
英雄はアドベンチャーをクリアする度、アドベンチャーカウンターを手に入れていきます。裏に経験値が書いてあるので、この経験値と引き換えに英雄をレベルアップさせることが出来ます。緑のアドベンチャーの経験値は1、黄は2、青は3、赤は4と言う具合に、難易度に比例して、もらえる経験値報酬がが上がっていく仕組みになっています。上海ゲーム部で行うInfinity Editionでは、アドベンチャートークンの補給はありません。その代わり5倍の広さを持つマップとなっています。
⑤アドベンチャーカードを設置します。これらのカードは、それぞれ緑、黄、青、赤の難易度に分かれており、対応したアドベンチャートークンが置いてある場所で移動を終えると、その色のカードを 1枚引くことが出来ます。
アドベンチャーカードの内容はどの色も全部で3種類に分かれます。
チャレンジ:主に怪物との戦闘、罠からの脱出等の内容が書かれたカードです。ダイスで戦闘を行います。戦闘の方法については、また後ほど。
クエスト :人助け、突発的トラブル、宝探し等の内容が書かれたカードです。指示内容を達成すれば、良いことがあったりします。このカードを引いた場合は、更に一枚アドベンチャーカードを引きます。これをチャレンジカードが出るまで繰り返します。
イベント :天変地異や経済の変化が書かれたカードです。世界のルールを書き換える力があるので、全てのプレイヤーに恩恵や災いを齎します。このカードを引いた場合は、更に一枚アドベンチャーカードを引きます。これをチャレンジカードが出るまで繰り返します。また、イベントカードはこの世界に1枚しか同時に存在する事は出来ず、より大きいレベルのイベントが優先され上書きされていきます。(例:黄のイベントカードは緑のイベントを上書きできるが、緑のイベントカードは黄のイベントカードを上書きできない。)
⑥マーケットカードを設置します。全ての拡張パックのアイテムやルーン、武器、装備、仲間を混ぜて使用します。左上に記されているのがコストです。報酬でもらえる場合もありますが、基本的には都市で買い物をして手に入れる事になります。この世界もお金がとても重要なのです。
アーティファクト:ようはこの世界のアイテムです。薬や聖遺物、楽器等もこれに含まれます。幾つでも持ち運ぶことが出来ます。
武器:片手剣、両手剣、ダガー、槍、弓、モーニングスターに至るまで、様々が武器があります。2つまで持ち運ぶことが出来る。但し、戦闘時の装備使用はどれか1つを選択しなければなりません。
防具:鎧や盾、兜、ガントレット、ブーツ等、各部位の装備があります。1つまで持ち運ぶことが出来ます。
ルーン:ルーンバウンドの世界における、魔法の力の源となる石版です。魔法攻撃力を上げたり、神秘の力を使用出来る様になります。幾つでも持ち運ぶ事が出来ます。
大 きく分けるとこれだけの種類があり、この中でも細分類されます。これらのカードをシャッフルして中央テノリスと4つの世界の山に分けて設置します。そし て、山札の上から5枚ずつ引いて、各都市のマーケットに裏向けに置きます。英雄が都市で移動を終えたとき、更に1枚対応する山札から1枚マーケットに置 き、その都市の全てのカードを表にすることが出来ます。
⑦最後に自分の出身地を決めましょう。20面ダイスを2つ振って、対応する都市に自分のアバターを置いてください。そして、宝箱と金貨3枚(3G)を受け取ります。因みに、3Gがどれくらいのお金かというのを街の施設での相場で表すと。
宿屋:英雄か仲間の内1人のスタミナを全回復 1G
病院:英雄か仲間の内1人のライフを1回復 1G
酒場:従者(仲間)を雇用する。 1G~15G
市場:武器、防具、ルーン、AFを購入 1G~15G
これで準備段階は完了です。次回以降移動、戦闘、成長要素について、説明したいと思います。このゲームは余りに重いため、半年に一回ぐらいしか遊べませんがファンタジーとRPG が大好きで、朝までだれずに(最後までRPGしない人が混じると冷めるので)遊べる方が6人揃ったなら、この超オフラインRPGで一緒にテノリスに旅立ちましょう。この冒険は一生の思い出になる事を保証します。それではよいゲームライフを。
文章:K
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