Riddle-themed(loop?)Fiction:Neko3&Bao
♯01 モンハン、セーブデータ消失事件。
<登場人物(?)紹介>
ネコさん :しゃべる猫。ブラックサンダーが好き。箱に住んでる。かしこい。
バオ :ぶかぶかの白衣を着た少女。ゲーマー。眼鏡。かわいい。
◇
天気のよい日の午後三時。
ネコさんはいつものように
床暖房の効いた縁側でブラックサンダーを食べていました(彼はとても器用なのです)。
どたどたどた…
そこにどうみても大きめの白衣に身を包んだ少女が走ってきました。
…嵐の予感でした。
バオ :「1031時間4分33秒…」
ネコさん :「…(ぱりぱり)。」
バオ :「HR973。」
ネコさん :「(モグモグ…ごくん。)?」
バオ :「1031時間4分33秒、HR973だよ!!」
ネコさん :「(もう、うるさいなあ…)ん?何のことだい?バオ。」
バオ :「だーかーらー、もんはん!、モンハンの話!」
ネコさん :「ああ、あれね。1000時間も遊ぶなんてすごいゲームなんだね。うん。
まさにキラーコンテンツってとこ?」
バオ :「(遮って)でもね、消えちゃったの!」
ネコさん :「え?」
バオ :「だからー、セーブデータが消えちゃったの!」
ネコさん :「ええ?な、何のことだい?バオ。」
バオ :「せーぶ。せーぶでーた!せーぶーでーたがぁぁぁぁ。(泣きだす)」
ネコさん :「(あたふた)え、ええ、落ち着いて、バオ。
ほら、ブラックサンダーあげるから、ね?」
ネコさんはバオの頭をよしよしと撫でたり、
(にくきゅうには癒し効果があるのです)
首輪のところからハンカチを出して、バオの涙を拭いたりと大忙し。
暫くして落ち着いてきたバオに詳しい話を聞いてみると…。
ネコさん:「なるほど、友人のセーブデータが彼女の兄弟に貸したところ、
消えて戻ってきた。友人は兄と弟を責めたが、
『俺たちはスマブラをやっただけ、何もしていない』と言ってたんだね?」
バオ :「うんうん。」
ネコさん:「彼女はすぐさまお母さんに言いつけたけど、
お母さんは『別に壊れて遊べなくなったわけじゃないんでしょ?
いい機会だし、兄さんを見習ってサッカーでもしたら?』と
取り入ってくれない。」
バオ :「(こくこく)。」
ネコさん:「彼女の兄弟は普段ゲームをする方ではなかったから、
貸した時に刺さっていたモンハンのソフトを
スマブラに取り換えるときに何かあったのかも、ってことだね?」
バオ :「うんうん。(頷きながらブラックサンダーの包みを開ける。)」
ネコさん:「消えたときの画面はある?」
バオ :「(ぽりぽりとブラックサンダーを齧りながら)あい。」
渡されたスマートフォンの画面にはモンハンのセーブ画面らしき画像がありました。
もちろんそこには3つの「NO DATA」の文字が大きく映っています。
それを見たネコさんの目が大きくなった…ような気がしました。
ネコさん:「!…しょうがないなあ。ちょっと待ってて、バオ。」
バオ :「?」
そういって奥に引っ込んでしまったネコさん。
バオがブラックサンダーの2袋目を齧っていると、ネコさんが戻ってきました。
口にはカワイイ巾着袋を加えています。
バオ :「ネコさん、それは?」
ネコさん:「まあ、ちょっと早いお年玉、みたいなものだよ。」
ネコさんは少し照れながらバオに巾着袋を差し出しました。
中には沢山のブラックサンダーとモンスターハンター4Gのソフトが入っています。
ネコさん:「バオも前、モンハンやりたいっていってたよね?
彼女と一緒に遊んだらいいよ。」
バオの表情にたちまち満面の笑みが浮かびます。
バオ :「ネコさん、ありがとう!これ欲しかったの~~~~~~。」
たまらずネコさんに飛びつくバオ。
ネコさん:「わ、やめて、バオ。ほら、袋のブラックサンダーが潰れちゃうよお~」
…。
その後、ブラックサンダーの2袋目を食べ終わったバオは
もらったばかりのモンハン4Gを持って外に出かけていきました。
るんるんでした。
縁側にはまたネコさんが一人(?)です。
ネコさんは思いました。
(ゲームがあまり好きではない家族。しかも女の子なのにゲームなんて、
といわれるような風潮があるこの街、それに加え3つの「NO DATA」
ここから導き出される犯人である可能性の高い人物は…)
ブラックサンダーの食べ過ぎで眠くなったネコさんは縁側で丸くなりました。
文章:U
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